吉田松陰先生や高杉晋作に木戸孝允などなど、幕末の志士を数多く排出した山口県萩市には、元遊廓に宿泊できる「芳和荘(ほうわそう)」があったわ。
筆者は2016年12月に萩を訪れた際に宿泊。遊廓に泊まったのも初めてだったし、とても貴重で楽し思い出があるのよネ。
また行きたいなァ〜なんて思いながら、「芳和荘」について調べていたら、なんと2021年に閉業しているじゃないですか!?インターネット情報だと、一人で切り盛りしていたご主人が逝去されたとのこと・・・これは寂しいわ・・・
ということで、今回は「芳和荘」を偲びながら、2016年12月に宿泊してきた様子をまとめてみたわ。
【元遊廓に泊まる!】山口県萩市「芳和荘(ほうわそう)」外観
「芳和荘」は山口県萩市山口県萩市 大字大字東浜崎町にあった元遊廓の旅館。大正初期に建てられた木造寄棟二階建ての建物は、「萩市景観重要建物」に指定されているわ。
そして「芳和荘」のある東浜崎町は、港町で人々が集まることもあって花街や遊廓などが形成されていったのだとか。
筆者は当時うっすらとしか遊廓について考えていなかったため、あまり気にせずに歩いていたんだけど、近隣にはそれっぽい建物が多々現存しているみたい。
当時はTwitterと旅行記にちょこっと写真を載せていただけだったので、外観の写真をあまり撮ってなかったのが悔やまれるわ・・・わたしの馬鹿っ!バカっ!ばかっ!!
なぜか旅館の入口隣にある「小料理芳和」の写真だけ残っていたわ。筆者が泊まったときには既に、「小料理芳和」の営業はしていなかったわ。
【元遊廓に泊まる!】山口県萩市「芳和荘(ほうわそう)」の館内
そして玄関を入るとこんな感じ。
遣り手婆的な人が出てきたらどうしようとドキドキいていたら、柔和なご主人が出てきてほっとした思ひ出。
切り盛りしていたご主人は遊廓経営者の子孫ではなく、お祖父様が建物を買取って下宿屋を始めたのち、旅館に転業したんですって。
遊廓の面影を感じさせる素敵な丸窓。
江戸時代の貴重な古地図も飾ってある!
そして回廊に囲まれた立派な中庭が、遊廓の面影を色濃く感じさせるわネ。
ぴかぴかに磨かれた階段で二階へあがりましょ。
二階の回廊の柵には『ち』『ょ』『う』『し』『ゅ』『う』『ら』『う』(長州楼)の文字が刻まれているわ。
この「長州楼」というのは、遊廓時代の隠れ屋号だったのだとか。
歴史を感じる庇部分も素敵。
そして少し日暮れて暗くなってくると、また違った雰囲気になる「芳和荘」。
中庭に明かりが灯り素敵さ倍増。
目を瞑ると遊廓時代の風景がまぶたにに浮かぶようだわ。
【元遊廓に泊まる!】山口県萩市「芳和荘(ほうわそう)」の室内
それでは室内にも入ってみましょ。
筆者が宿泊したお部屋は『青波瀬』。青波瀬ってなんだか素敵な響きよね、意味は知らないんだけど・・・
そして個人的に印象的だったのが部屋の鍵!襖にこのタイプの鍵が取り付けてあるって珍しくない!?
筆者は好んで古い宿に泊まる派だけど、このタイプは初めてみた。「芳和荘」でしか見たことがないわ。
室内はこんな感じ。勿論元遊廓だけあり、純和風なお部屋。
当時はここでいろいろなドラマ(?)が生まれ、営まれていたと思うと感慨深いわよね。
障子と窓の間にあるこのスペースは、遊廓時代は雇い人たちの通路だったみたい。現在は板で仕切られていて、通り抜けはできないようになっているわ。
お部屋の鍵も味があるわよね。不寝番(ねずのばん)が鳴らした拍子木がモチーフ?(なワケないか・・・)
【元遊廓に泊まる!】山口県萩市「芳和荘(ほうわそう)」の共同便所とお風呂
続いては「芳和荘」のトイレをご紹介。
トイレは共同(しかも男女も共用)のかなりレトロな造りになっているわ。筆者は泊まった当時、全く気づいてなかったんだけど、どうやら水洗ではなかったらしいわ。
そして写真を撮り忘れたんだけど、お風呂も共同だったわ。人によっては共同便所や風呂が駄目だという人もいるので、かなり人を選ぶ宿だったのよね。
筆者が泊まった2016年当時はまだインスタやYou Tubeがそこまで発展してなかったし、こういう宿に泊まるのは好きな人限定だったけど、映えやバズの発展で「芳和荘」も多くの人が利用するようになったそう。そういう方々は、共同便所(しかも水洗じゃない)は大丈夫だったのかしら???
【元遊廓に泊まる!】山口県萩市「芳和荘(ほうわそう)」の朝食
「芳和荘」は素泊まりも可能だけど、筆者は朝食付きのプランで宿泊。当時朝食付きで¥4500ぐらいで泊まれたと記憶しているんだけど、元遊郭に泊まれてこんなに立派な朝食が付いてこのお値段って凄くない!?
そして、朝食がめちゃくちゃ美味しいのなんのって!ご主人が丹精込めて作ったもので、鮭は自家製の塩鮭だと仰っていたわ。あまりの美味しさにご主人と朝食トークで盛り上がった思ひ出。
今考えると食べ物の事以外にも、遊廓建築について色々お話を伺っておけば良かったわ・・・
そして朝食会場にあったレトロな時計も、とびきり素敵だったわよ!
【元遊廓に泊まる!】山口県萩市「芳和荘(ほうわそう)」の思ひ出。
今回は山口県萩市にあった、元遊郭の宿「芳和荘」に泊まってきた様子をお伝えしたわ。
今回当時のことをいろいろ思い出してみて、元遊郭とか抜きにしても、素敵なご主人がおる寛げる最高の宿だったと実感。
閉業したという情報もあるも、Googleなんかだと『一時閉業』になっているのよね。ご主人が亡くなられたという情報もあるけど、もしやオーナーチェンジで再開される可能性もあるのかしら?
いや、でもあのご主人だったから良かったのであって、別の方がやったら雰囲気変わりそうで心配・・・でも建物は「萩市景観重要建物」に指定だけあり、残る可能性も高そうね。
今後もちょくちょく「芳和荘」の今後をウォッチしていこうと思うわ。
【元遊廓に泊まる!】山口県萩市「芳和荘(ほうわそう)」場所
〒758-0025 山口県萩市 大字大字東浜崎町2区の1
(2023年現在建物は現存)
コメント