前回は熱海の赤線跡・糸川特飲街を歩いてきた様子をお伝えしました。
本当は一緒に纏めようと思っていたのだけど、赤線記事が思いのほか長くなってしまったため、今回は別で熱海の青線跡である渚町周辺を散策した様子をお伝えするわ。
ただ、青線に関しては赤線に比べ資料が見当たらないのなんのって!そのため、青線となった経緯や歴史がわからないため、ただただレトロ建築・路地好きとしてのレトロな風景写真を撮影したに留まってしまった。(しっかり調べたら資料もあるのだろうけど・・・)
そして、この渚町散策なんだけど、熱海駅から秘宝館に向かう帰りしな、行きしなにに撮影しているため、撮影した建物の位置関係が少し不明瞭な部分があるのはご了承下さい。
⬇熱海秘宝館についてはこちらをど〜ぞっ!
【熱海の青線跡】渚町の場所と歴史。
青線跡である渚町を散策してゆく前に、場所と町の歴史を少し見ていきましょ!
青線があった熱海市渚町は、上記の地図で青く囲った場所よ。
なんとな〜く、地形を見ても分かる通り、この辺りは埋め立てにより完成した土地。
国鉄熱海線や丹那トンネルの工事が進む大正10年(1921)年、土地の値上がりを踏んだ東京の資本家ら7名により埋め立ての出願がされ、県もそれを許可したことで渚町は誕生したわ。
たた請願直後、熱海の人々は埋め立てに大反対!「風致を害する、海水浴場や漁業、下水等に支障をきたす。」と反対運動が起きているの。
昭和4年(1929)には水戸で陸軍特別大演習から還幸した天皇陛下の自動車が上野公園を通過した際、埋め立て反対の直訴文を手にした青年が路上に飛び出し、逮捕されるという事件まで起きているわ。
最終的には埋め立て工事は規模を縮小する形で進み、昭和14年(1939)頃までにはほぼ完了したそう。
こうして新興の土地として誕生した渚町。まぁ、渚町全体が青線だったわけではなく、一部が戦後に青線として発展していったようね。
昭和25年(1950)に熱海市街地を全焼させた熱海大火が、沿岸工事をしていた渚町の埋め立て地北東部で起きているため、この焼失が青線形成に関わっている可能性があるのかも知れないわね。(予想)
【熱海の青線跡】渚町を歩く。
それでは渚町の歴史が少しだけわかったところで、青線跡を歩いてゆきましょ。
渚町をつらぬく「なぎさ中通」の看板が、レトロでいい雰囲気。
おそらくこの「中央渚発展会」の看板がある付近が、かつての青線跡だと思われる。
とにかくカッコいい路地と建物が多く、散策しているとわくわくしてしまう。
とにかく雰囲気が良すぎる。
カフェー調の建物が多く、当時の雰囲気を忍ばせている。
赤線である糸川特飲街の記事でも触れたけど、かつて熱海には特殊慰安施設協会(RAA)の米軍慰安施設があり、オフ・リミッツ発令後も都心から離れた熱海の規制はゆるやかだった。
そのためオフ・リミッツ発令後も米兵たちは熱海に押し寄せ、糸川特飲街も発展。その影響で青線も発展していったとういのは考えられるわよね。
特徴的な建物が多い中でも、特に目を惹くカフェー建築。
窓の造りがかなり凝っている。
味のある路地が多く、どこを撮っても絵になるわ。(筆者の写真の腕前のなさは置いといて。)
質屋さんの看板がなんだかアート。
路地もアート感が漂う。
窓の造りがどの建物も凝っていて、昭和の面影が満載。
なんだか色気のある廃墟。
昨今は熱海の観光産業も盛り返しを見せ、観光客が多くなっていると聞くわ。使われなくなった建物なんかを、リノベーションしてお洒落カフェなんかにしたら、映えるだなんだとナウなヤングにも人気が出そうそネ。
筆者は平成中期の子供の頃、熱海に数年住んでいたことがあるだけど、その際は寂れに寂れ鄙びた温泉地と化していた。今回熱海に来てみて、平日にも関わらず人の多さに驚いたのなんのって!
昭和の遺構を活かすことで、まだまだ発展の余地はあると思うのよね・・・観光が盛り返したとはいえ、廃墟とか多くなってるし。
路地からも廃墟が望める。
あれ?この廃墟、筆者が子供の頃から廃墟だった気がする・・・?ウン十年ぶりの訪問のため、うる覚えだけど・・・
でも廃墟がありつつも、新しいお店なども入っていて活気を取り戻しつつある様子も伺える。
熱海は昔から温泉地として栄え、高度経済成長期やバブル期なんかは観光客や社員旅行の団体客も多く訪れていた。
そのため当時の古い建物が多く、これは結構貴重だったりするのよね。取り壊すのではなく、残してゆくのが観光としてベストだと思うのよ。
筆者が昭和マニアになった理由はいくつかあるけど、子供の頃に昭和の面影が色濃く残る熱海で過ごしたのも関係あるのかも・・・なんて考えたり。
余談だけど、数年前に熱海駅ビルが新しくなったんだけど、昔から駅の昭和感が大好きだった筆者はちょっとショックだったりした。”レトロブーム”だな〜んて言われる時代だし、昭和っぽさを残した町にしたらいいのに。
なんて思いつつ、散策を続ける。
渚町には現役の大人のお店も存在。たぶん当時の建物をそのまま使っているよね?
隣の建物もかなりの趣。
【熱海の青線跡】渚町・アタミ銀座方面
「中央渚発展会」から国道135号線を挟んだ先には、熱海でも有名なレトロビルがあるわ。
筆者が子供の頃には既にファミリーマートが入っていたけど、元は何だったのかしら?SNSなんかにアップしているのをたまに見るし、結構人気があるみたい。
そして同じ通りには、温泉地らしい「ゆしま遊技場」もある。(時間が早かったため、開店前)
昭和の雰囲気に思わずグッときちゃう。まぁ子供の頃は、当たり前のように見ていたんだけど・・・
そしてその角を曲がると、熱海のメインストリート(?)アタミ銀座が。
そして糸川特飲街の記事でも書いたけど、アタミ銀座には現役のストリップ劇場「アタミ銀座劇場」も元気に営業中。
もちろん筆者が子供の頃から、既に昭和感漂っていた「アタミ銀座劇場」は存在していた。正確な創業年はわからなかったのだけど、どうやら55年以上の歴史があるのだそう。
昭和の面影が残る「ピンクショー」の看板が可愛すぎる。
そしてアタミ銀座から一本道を入った所にある、こちらの建物も素敵。(糸川特飲街のときも載せたけど。)
柱や豆タイルの装飾など、如何にもなカフェー建築にドキドキしてしまう。
子供の頃に何度も通った道なのに、こんなに素敵な建物に全く気づいてなかった・・・
でも今回熱海を散策してみて、当時とは違った新しい発見が沢山できたたのが、かなりの収穫だったわ。
【熱海の青線跡】渚町周辺を歩く。
今回は熱海の青線跡である、渚町周辺を散策した様子をお伝えしました。
いやぁ〜本当、糸川特飲街もそうなんだけど、結構貴重な建築が多くて、まだまだ紹介しきれないぐらい。
渚町の青線の歴史なんかが全然わからずじまいなので、ちょっともっと色々調べたくる散策となったわ。
☆★町を散策する際は、地元の人に迷惑にならないように、静かにマナーを守って楽しく散策しましょう!★☆
【熱海の青線跡】渚町・場所
※参考図書
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