東京都港区にある愛宕神社。
愛宕山の山上にあるこの神社は、江戸時代に徳川家康の命令によって建てられた神社。
「天下取りの神」「勝利の神」として有名で、写真の階段は「出世の石段」なんて呼ばれ都内屈指のパワースポットとなっているわ。
そしてこの愛宕山にあるのは愛宕神社だけじゃないの。
大正14年(1925)年から昭和13年(1938)までNHKの前身のひとつである社団法人東京放送局がこの愛宕山に放送局をおいていたことから、「NHK放送博物館」なる施設が存在するのよ。
ここは放送の歴史が学べるだけじゃなく、昭和の時代に教育テレビを彩った大人気キャラクターの終の棲家になっているんですって。これは会いに行くしかないじゃない?
ということでお世話になったあのキャラ達に会いに行ってきたわ。
あっ、今は「NHK教育テレビ」なんて言わないのよね、「Eテレ」ね、メンゴメンゴ。
「NHK放送博物館」つてどんな施設?
出世の階段を駆け上がり、愛宕神社のすぐ左脇を見ればみえてくる施設、それが「NHK放送博物館」。
入場料は無料。
まぁ、受信料のおかげよね、こうやって文化を継承・保存するために受信料を使ってくれているなら良いのよ・・・
入口を入った1階には”ウエルカムゾーン”と題して放送の歴史を彩ったカメラやマイクなどの機器がお出迎え、どれもレトロで素敵ね〜。
この施設は4階建になっていて様々な展示が盛りだくさんよ。
ラジオ放送から始まった日本の放送文化の歴史や、NHKのドラマや東京オリンピック、紅白歌合戦なんかの資料も展示してあって見応え充分!
現在はコロナウイルスの影響で閉鎖されているけど「放送体験スタジオ」や過去に放送したNHKの番組を見ることができる「番組公開ライブラリー」なる設備もあるから親子でも楽しめそうね。
対面!懐かしのキャラたち!
そしてなんと言っても、今回の目的は教育テレビの歴史を彩ったキャラたちに会うこと!久しぶりの対面に何だかドキドキしちゃう。
キャラたちは2階にある”テーマ展示ゾーン”なる所にいらっしゃるわ。
いた!発見!ゴン太くんよ!
この哀愁をおびた佇まい、シビレルわね。
ゴン太くんは昭和45年(1970)4月8日から平成2年(1990)3月6日まで放送されていた、造形教養番組「できるかな」のキャラクター。言葉こそ発さないけど「ウゴウゴ」と鳴き声を上げて感情を表現していたわ。
今ではその鳴き声が聞けないのがちょっぴり寂しい・・・
相方である「ノッポさん」と共に身近な素材を使って様々なものを工作したり、絵を描いたりしていたわ。つくった物で遊ぶ2人の姿が楽しそうで仲間に入りたかったものよ。
筆者は小学生のころ唯一得意だった科目が「図画工作」なんだけど、「できるかな」のおかげだと言っても過言ではないはず。
ノッポさんのトレードマークである「チューリップハット」も展示。
放送されっていた20年もの間ノッポさんはずっと無言キャラだったのに、最終回で喋ったのよ、あれは衝撃だったわね。
番組の最後にノッポさんの口から告げられた「できるかな」の最終回と視聴者への別れの挨拶、これはノッポさんのアドリブだったとか。
続きましてはじゃじゃ丸!ぴっころ♡ぽーろり☆の登場よ!
左からウラオモテ山猫(西表山猫のパロディらしい)の袋小路じゃじゃ丸、紅一点フンボルトペンギンのふぉるてしも・ぴっころ、ネズミのぽろり・ガジリアッチ三世よ。
彼らは昭和57年(1982)4月5日から平成4年(1992)10月3日まで、「おかあさんといっしょ」の中で放送されていたきぐるみ劇の大人気キャラクター。
じゃじゃ丸はわりと荒くれ者のいばりんぼうキャラだけど、お母さんと生き別れになるという悲しい過去の持ち主。こどもの頃は荒くれ者が故に苦手なキャラだったんだけど、大人になった今思うと無理して強がっているんじゃないかと思うと切なくなっちゃう。
じゃじゃ丸まだ5歳なのに・・・
ガキ大将的な存在のじゃじゃ丸の声を担当していた声優さんが旧ドラえもんのスネ夫役でお馴染み、肝付健太さんだったから、こどもだった筆者は少々混乱したものよ。
紅一点のぴつころ。
よくいる紅一点キャラのぶりぶりした感じがあまりなく、かなり気が強めなお転婆女子だったわ。そんなところに親近感を抱くキャラね。
可愛いくって守ってあげる存在だけじゃなく、自立・自己発信していくキャラとして令和の世の中でも通用すること間違いなしよ!
ちなみに声優は旧ドラえもんのドラミちゃんでお馴染みよこざわけい子さん。ドラミちゃんも出来る女よね。
海賊の子孫であるぽろり、筆者の友人は彼が初恋の相手だったと暴露していたわ。
当時見ていた彼の印象はインテリで気取り屋。たしかに友人の好きになる男もインテリ系ばかりな気がするから、案外タイプって幼少期からそんなに変わらないものなのかしらね?
余談だけど筆者の初恋はフジテレビで放送されていた「ひらけ!ポンキッキ」のムック、そう、赤いほう。
今でこそムックは類稀なる音楽センスで音楽家としても活動しているけど、当時はガチャピンの弟子であまり頭もよろしくなかったのよね。なんかそんな所に母性本能をくすぐられたみたい。
あら、そう考えるとやっぱりタイプってそうそう変わるわけではないのね。
ちなみにぽろりの声優さんはばいきんまんでお馴染み中尾隆聖さん。やなせたかし先生から「セクシーな声」と言われた男。
昭和35年(1960)9月5日から昭和42年(1967)3月28日まで放送されいた人形劇「ブーフーウー」の人形も展示されているわ。
筆者は見たことないんだけど、これ、かなり伝説よね。
だってあの黒柳徹子さんや旧ドラえもんの大山のぶ代さんが声優を務めていたんですもの!
徹子さんはテレビ女優第1号の1人として、テレビ放送開始を翌月に控えた昭和28年の1月にNHK放送劇団に入団したの。それからずっとテレビで活躍し今でも「部屋」を持っているって凄いわよね。本当レジェンド!
昭和39年(1964)4月6日から昭和44年(1969)4月4日まで放送されていた「ひょっこりひょうたん島」の人形も展示。
当時は無名だった作家井上ひさしさんの名前を一躍有名にした作品ね。
筆者が小さい頃、失敗したときや辛い時に母がよく「ひょっこりひょうたん島のテーマソング」を歌ってくれたわ。いまだに何かあると口ずさんじゃう。
火山の爆発によってひょうたん島が本土から切り離され、遠足に来ていたサンデー先生と子どもたちが漂流する話ですもん、ちょっとしんみりしそうな所を明るく希望のある歌に乗せているのが秀逸よね。
でも「ひょっこりひょうたん島」って「死後の世界」の話説もあったわね・・・実は火山に巻き込まれる前にみんな死んでいたとか。そう考えるとテーマソングも奥深く感じるわね。
その他も見どころがいっぱい
「NHK放送博物館」は昭和の懐かしのキャラたちに会えるだけじゃなく他にも見どころがいっぱい。
キャラたちがいる2階の”テーマ展示ゾーン”には、NHKのドラマや昭和39年の東京オリンピック、紅白歌合戦なんかの資料も展示してあり見応え充分。
3階は”ヒストリーゾーン”となっていて、大正9年(1920)に始まったラジオ放送から現在の多チャンネル放送までの歴史が存分に学べるわ。
そこはやっぱりNHK、貴重な資料がそろっているのね。
3階の”ヒストリーゾーン”にはテレビが登場した頃のお茶の間が再現されているわ。
昭和レトロ好きとしてはこういった再現されたお茶の間なんか興味深いわよね。
テレビの本放送が開始されたのが昭和28年(1953)、この時はもちろん家庭にテレビなんか全く普及していなかわ、現在の上皇上皇后さま(当時皇太子)がご成婚された昭和34年(1959)には23.6%まで普及、その後東京オリンピックが行われた昭和39年(1964)には87.8%まで普及したってんだから凄いじゃないの。
そのことからも茶の間は昭和30年代後半のもね。
懐かしのキャラクターに久々に再会できて放送の歴史を学べる「NHK放送博物館」は、楽しく勉強できる最高のレトロスポットね。
場所・案内
東京都港区愛宕2−1−1
東京メトロ日比谷線 神谷町駅徒歩6分 虎ノ門ヒルズ駅徒歩7分
東京メトロ銀座線 虎ノ門駅徒歩10分
都営三田線 御成門駅徒歩10分 内幸町駅徒歩13分
JR 新橋駅徒歩18分
開館時間 10:00〜16:00まで
月曜休館日
筆者のオススメの行き方は、愛宕神社の「出世の石段」を駆け上がってお参りしてから「NHK放送博物館」を巡るルート。
東京メトロの神谷町駅や虎ノ門ヒルズ駅は近いんだけど、「放送博物館」→「愛宕神社」経由で見学すると「出世の石段」を下る羽目になるので縁起がよろしくないわ。
メトロ経由で行く場合は遠回りになるけど、一度「都道301号線白山祝田田町線」まで降りて「出世の石段」を登ることを強くオススメするわ。
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