レトロな手土産として、また東京土産としても定番の舟和の「芋ようかん」。芳醇な芋の風味となめらかな舌触りは食べたもの者を魅了する。まさに日本を代表する和スイーツと言っても過言ではない。
少し前に話題になったのが、この日本を代表する舟和の「芋ようかん」を、舶来代表である濃厚調味料「バター」で焼くという禁断のレシピだ。「芋ようかん」と「バター」で美味しいものが2倍になるんだから、こんなの不味いはずがない。
今回筆者も舟和の芋ようかんを久しぶり手にしたため、遂にこの禁断のレシピにチャレンジしてみることにした。
そしてさらなる舟和の「芋ようかん」の可能性を引き出すべく、アレンジレシピを思いついたため挑戦してみる事にした・・・したのだが、舟和の「芋ようかん」の偉大さを思い知ると同時に、色々と考えさせられる結果になってしまった。
そのままでも美味しい舟和「芋ようかん」
舟和の歴史はとても古く明治時代まで遡る。
日英同盟が締結された明治35年(1902)年に浅草で創業した舟和。当時は高級品だった煉羊羹の代わりに、庶民でも気軽に食べられるようにと開発されたのが「芋ようかん」だ。
老舗のお菓子の歴史を紐解くと、庶民が気軽に食べられる物を作るために試行錯誤していて、熱い心意気と信念を感じ取ることができる。今でもおいしいお菓子が食べられるのは先人たちの努力の賜物、令和を生きる私たちは感謝の心を忘れてはいけない。
舟和の芋ようかん5本入¥864
レトロ手土産としても重宝する舟和の芋ようかん、実は今回初めて筆者は自分で購入した。だって大体手土産として貰えるんだもん。まぁそれだけ美味しくって親しまれている定番の品って事だろう。
充分そのおいしさは理解しているが、バター焼きにする前に舟和の芋ようかんに敬意を払うべく、ありのままの姿をいただきましょう。
ちなみにカロリーは1本あたり124kcal。
原材料はさつまいも(国産)・砂糖・食塩のみ!!これほどまでにシンプルでいてこんなに美味しい食べ物ってある!?
金色に輝く芋ようかん。
おいしい、実直で真っ直ぐな芋の真面目さが伝わるおいしさ。ありのままの姿で充分そのポテンシャルを発揮している。
舟和「芋ようかん」バターで焼いてみた
それでは早速舟和の芋ようかんのバター焼きを作っていこう。
必要なものは舟和の芋ようかんとバター、以上。
バターを入れたフライパンに舟和の芋ようかんを投入。
お好みの焼き目がつくまで焼く、以上。
あらやだ、料理を作るのが異常にめんどい筆者でも簡単に作れてしまったではないか。これなら意識がある人間なら誰でも作れるはずだ。
焼けたバターの香りに食欲がそそられる。
って、なにこれ、めっちゃウマい!!!
何かビックリ、実直で真面目だった芋ようかんが、バターに出会うことで垢抜けてより美味しくなってる!!
芋ようかんにとってバターはきっと運命の人だったに違いない。こんなにも良いところを引き出し、可能性を見出すなんて・・・ありのままの芋ようかんだって素晴らしいけど、バターという異文化と出会う事によってここまでいい方向に変わるとは!
ちょっと外国人とお付き合いして海外かぶれになってるわけじゃなく、しっかり日本の文化を理解して尊重した上で海外の文化を取り入れている聡明さを感じずにはいられない。
ってまぁ端的にいうとめちゃくちゃ美味しい和スイートポテトって感じなんだけど。
舟和の公式HPにもバター焼きのアレンジは掲載されている。芋ようかんとバターは公式も認めている清い関係だ。
https://funawa.jp/shopadmin/shop/home/1043/template/4/img/item/imoyokan_recipe.jpg
舟和「芋ようかん」アレンジレシピを思いつく・・・
バターという運命の人を見つけ、よりそのポテンシャルを高めた舟和の芋ようかん。もっと芋ようかんの可能性を広げるべく、近所の西友で冷凍パイシートを買ってきた。
そう、このパイシートに芋ようかんのバター焼きを包み、焼くことを思いついたのだ。スイートポテトパイってめちゃくちゃ美味しいから、絶対失敗しないはず!!
解凍して少し伸ばしたパイシートに舟和の芋ようかんのバター焼きを乗せる。
はじめに言っておくが、筆者のお菓子作りのスキルは小4で止まっている。筆者が初めて自作したクッキーを一族郎党で食べ、全員お腹を壊すという苦い経験をしたのだ。それ以来20年以上お菓子作りから遠ざかっていたのである。
なので生地を伸ばす棒(?)みたいヤツが家にあるはずもなく、ひたすらパイシートを手で伸ばす。
なに、これ・・・包んだだけなのにこんな無様な見た目になるなんて・・・
多分お料理上手なオシャレブロガーやインスタグラマーの方々が作ったらもっとフォトジェニックな代物が作れるに違いない・・・
なんか自分情けなくなってくるわ・・・ってまぁ、食べ物なんて見た目も大事だけど、美味しけりゃいいわよね・・・
ちなみにこの時点で、パイの上にはテカリを出すため卵を塗った方が良いことに気づく。ただ家に卵がなく、再びスーパーに行く気力もないためテカらせるのは諦めることにした。
ちょっと映えない写真が続いたので、ここでオシャレフォトジェニストにも大人気なレトロ雑貨「アデリアレトロ」の保存容器が登場!!筆者だってオシャレの仲間入りぐらいしたいさ。
オシャレアデリアの中には、筆者特製・リンゴをバターと砂糖で焼いたやつが入っている。コレを舟和の芋ようかんのバター焼きと共に、パイシートに包んで焼いたら絶対美味しくない!?
我ながらナイスアイデア・・・と自分で自分を褒めながら、パイシートの上に芋ようかんとリンゴを置いて、同じように形成していく。
そしていよいよ形成したパイをトースターで焼いていこう。焼き加減は見ながら調整。
うちにはオーブンなんて高級な代物はないため、トースターを使用。冷凍パイシートってトースターでも焼けるのね。
舟和「芋ようかん」アレンジレシピ・実食
「舟和の芋ようかんをバターで焼いたやつパイ包み」と「舟和の芋ようかんバターで焼いたやつ&リンゴをバターと砂糖で焼いたやつパイ包み」が遂に完成!!
あら、なんかあんなに無様なビジュアルだったけど、焼いたらそれっぽく見えるじゃないの。全然映えないけど。
まずは「舟和の芋ようかんをバターで焼いたやつパイ包み」から。
あら、やだ、おいしい!!
舟和の芋ようかんのほくほく感とパイ生地のサクサク感がマッチして、お互いの良さを最大限に引き出している!!運命の出会いをさらに深める結果に。
出会う人によって可能性を引き出す事ができるのは、人間だけじゃなく芋ようかんも一緒って事がよ〜くわかる。新たな出会いを提供した自分すごいじゃない!
なんて思ったけど、いや、でもこの味なんか食べたことあるのよ・・・そう、よくよく考えたら既に舟和の商品に「おいもパイ」があるのだ・・・⬇
ド素人の筆者なんかより公式は既に芋の可能性を無限に理解している・・・さすが明治時代から芋ようかんを作るプロ集団。
気を取り直して続いては「舟和の芋ようかんバターで焼いたやつ&リンゴをバターと砂糖で焼いたやつパイ包み」を食べてみよう。
これは舟和の商品にもない一品だ。
おいしい!!
おいしい・・・おいしいけど、別々でもいいかも・・・
芋とリンゴなんて相性がいいんだから、おいしいのよ。おいしいけど別にあえて一緒にしなくてもいいかも。
芋ようかんの素朴な甘みが、リンゴをバターと砂糖で焼いたやつのパンチに押されてしまっている。自己主張の強いやつと一緒になったばっかりに、自分の意見が中々言い出せなくなってしまい、芋ようかんの良さが消えかけてる・・・言いたいことも言えないこんな世の中じゃどうしようもない。
一緒にいて楽しいけど、良さを発揮できない相手なら、そんなに深い付き合いはしないほうが無難だと言うことがよくわかる一品。
なんだか舟和の芋ようかんひとつで人間関係の大変さまで思考が及ぶとは思わなかった・・・
でもまぁあれね、筆者特製のリンゴをバターと砂糖で焼いたやつの甘みがちょっと強すぎた事もあり、舟和の芋ようかんのポテンシャルを下げてしまったのだろう。
きっと上手にアップルフィリングなんかを作れる人なら、芋ようかんにピッタリの代物ができる可能性もあるから、是非、みなさまも舟和の芋ようかんの可能性を引き出すべく、いろいろ挑戦してみてはいかがだろか?
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