昔から港町として栄えてきた横浜。
どこかヨーロッパの風を感じさせる、歴史あるクラシック建築が今も数多く残っているわよね。
今回は、横浜のクラシック建築を代表する「ホテルニューグランド」の本館に、贅沢にもひとりでホテルステイしてきたわよ!
「ホテルニューグランド」は、昭和2年(1927)に創業した老舗のクラシックホテル。
現在の本館は開業時に建設された建物を使用しており、平成4年(1992)には横浜市認定歴史的建造物、平成19年(2007)には、経済産業省が選んだ近代化産業遺産の認定を受ているのよ。
筆者はこどもの頃、横浜に住んでいたこともあり「ホテルニューグランド」は憧れの存在だったの。
そんな憧れのホテルの宿泊レポートとともに、「ホテルニューグランド」の歴史もあわせて紹介するわネ。
【山下公園前】横浜「ホテルニューグランド」の歴史【昭和遺産】
「ホテルニューグランド」に宿泊する前に、その歴史を少しご紹介するわね。
冒頭でも書いたように、「ホテルニューグランド」の創業は昭和2年(1927)。
山下公園の真向かいに位置し、山下町のランドマークとして長年親しまれているわ。
この辺りは「ホテルニューグランド」が創業するずっと前から、港町として栄えてきた。そのため、山下町近隣は外国人向けの多くのホテルが軒を連ね、異国情緒漂うハイカラでモダンな街として賑わいを見せていたの。
そんな中、大正12年(1923)9月1日に関東大震災が発生。ホテルや横浜の街もろとも瓦礫の山と化し、その賑わいや華やかさが失われてしまったの。
関東大震災で壊滅的な打撃を受けてしまった横浜の街。
被災地には外国人客のための仮宿泊施設が建てられるも、粗末な建物は”テントホテル”なんて揶揄されるような、それはそれは無惨なものだっみたい。
そんな悲惨な状況を打破するため、横浜市を始め当時の政財界をあげて、新ホテル建設の声が挙がったわ。
当時の横浜市長であった有吉忠一氏が「ホテル建設計画」を市議会に提出し、本格的に横浜市復興計画がスタート。
市民の復興への期待を受けつつ、昭和2年(1927)12月1日に「ホテルニューグランド」は誕生したわ。
ちなみに、「ホテルニューグランド」の目の前にある山下公園も、関東大震災の復興事業として誕生した公園。震災ででた瓦礫を埋め立て、昭和5年(1930)に開園したのよ。
こうして歴史をみてみると、日本は昔から地震の被害を受けても、その都度立ち上がり、復興していく姿には心が打たれるわよね。
そして、昭和20年(1945)に第二次世界大戦に敗戦した後は、7年間のあいだGHQに接収されていた「ホテルニューグランド」。
昭和20年(1945)8月30日に日本を訪れたマッカーサーが、3日間滞在した場所としても知られている。多くの将校やその婦人たちが「ホテルニューグランド」に滞在しているわ。
そんなGHQに接収されていた時代に、アメリカの将校とその夫人に提供する料理として、様々な日本の洋食が誕生していったの。
今では喫茶店の定番メニューとして、老若男女に愛される「プリンアラモード」や「スパゲッティナポリタン」、「シーフードドリア」は、「ホテルニューグランド」が発祥の地だと言われているわ。
日本を代表するクラシックホテルで、日本を代表する洋食やスイーツが誕生したなんて、歴史を考えるととても感慨深いわよネ。
【美しきクラシックホテル】「ホテルニューグランド」本館の歴史ある昭和建築・外観【昭和遺産】
さぁ〜「ホテルニューグランド」の歴史を学んだら、いよいよその素晴らしき昭和建築を堪能していきましょ〜♡
「ホテルニューグランド」を設計したのは、銀座「和光」や「東京国立博物館」などを手掛けた事で知られる建築家・渡辺仁。
クラシカルな曲線が美しく、外観を眺めているだけでも惚れ惚れしちゃうわよネ♡
ちなみに本館の右側に佇むのは、平成3年(1991)に開業した新館「ホテルニューグランドタワー」。
美しく重厚な石造りの外壁に、”AD1927”のエンブレムがイカす。
ここが日本だと忘れてしまうぐらい、異国情緒を感じさせる。クラシカルな雰囲気はヨーロッパの町並みみたい。
あ〜うっとり♡
昭和2年(1927)の創業当時から、変わらぬ姿でこの地を見守ってきた、歴史と風格を感じる威風堂々とした佇まい。
【フォトジェニック!】横浜「ホテルニューグランド」の大階段とロビー
はい!そして、そして、「ホテルニューグランド」本館の入口を入ると、まず目に飛び込むのが、創業当時の姿を残した、この大階段!!!
優雅でクラシカルなその姿は、息をのむほどの美しさ♡
エレベーターの細工に意匠が凝らされており、隅々まで観察してしまう。
細部までこだわり、豪華絢爛な作りになっているわ。
どこを切り取っても、ため息がでてしまうほどの美しさよね〜。
本館の入り一階と大階段を上った二階は、「ホテルニューグランド」の宿泊者や施設利用者ではなくても、出入りは可能。
そのため、フォトジェニックな場所を求めてやってくる、フォトジェニストたちもいらっしゃっていたわ。
まぁ〜、これは映えるからね。フォトジェニストたちは放っておけないわよね!
柱や天井の梁も美しく豪華な細工がされており、手が込んでいる。
美しさの極み♡
細部からも重厚な趣を感じさせる。
開業当時メインダイニングとして使われていた、大階段を上がった先にあるフェニックスルーム。
筆者の語彙力のなさでは、伝えきれないほどの素晴らしさだわ♡
さきほど、マッカーサーが滞在したと書いたけど、「ホテルニューグランド」を訪れたのは、マッカーサーだけじゃないの。
開業当時から皇室やイギリス王室の賓客や、喜劇王のチャーリー・チャップリン、米国の野球選手ベイ・ブルースなども利用しているわ。
そのほかにも、「鞍馬天狗」や「霧笛」などで知られる、作家の大佛次郎は昭和6年から約10年間にわたり、「ホテルニューグランド」を執筆活動の場所として利用していたわ。
数々の著名人が、この場所でこの風景を見ていたと思うと、歴史の重みを感じるわね。
発祥の味が楽しめる、コーヒーハウス「ザ・カフェ」
本館一階の大階段の横には、「ホテルニューグランド」が発祥の「プリンアラモード」や「スパゲッティナポリタン」、「シーフードドリア」がいただける、コーヒーハウス「ザ・カフェ」があるわ。
こちらのカフェも、宿泊者ではなくても利用することができるわよ。
【癒やしの空間】横浜「ホテルニューグランド」本館の中庭
「ホテルニューグランド」本館の一階を抜けると、美しい中庭がお目見え。
こちらも宿泊者や施設利用者ではなくとも利用可能よ。
日中は噴水近辺で、くつろいでいるお子様連れなどもいらっしゃるわ。
【クラシックホテル】ホテル内に飾られた「ホテルニューグランド」の歴史
さすが歴史があるクラシックホテルなだけあり、「ホテルニューグランド」には歴史を感じさせる展示物もいっぱい!
昭和の時代の写真やパンフレットなどが飾られ、昭和好きには垂涎の品の数々を拝むことができるわよ。
歴史を感じる品々は、まるで博物館級の貴重なものばかりなんだから!
【クラシックホテル】横浜「ホテルニューグランド」に泊まろう!
さぁ!それでは、チェックインを済ませ、いよいよ「ホテルニューグランド」本館のお部屋をチェックしていきましょ!
チェックイン後は、本館のエレベーターで客室に移動。客室ロビーも高級感があり、高級とはほど遠い生活を送る筆者は、なんだかドキドキしちゃうじゃない。
ちなみに、ぼっちの筆者は本館グランドダブルルームを素泊まりで予約。
いや〜まぁね、本当は食事付きのプランでも泊まってみたかったんだけど、「ザ・カフェ」で「プリンアラモード」と「スパゲッティナポリタン」を食べたかった&ライフワークの昭和レトロ喫茶めぐりをするため、今回は素泊まりをチョイス。(まぁ、食事付きプランで泊まるほどの財布の余裕もないですが・・・)
じゃじゃ〜〜〜ん!お部屋の扉を開けると、クラシカルで素敵な空間が出現!
映画に出てくるような、お洒落なダブルベットにきゅんきゅんちゃう。
奥に映るドレッサーの鏡も、クラシカルで素敵すぎる♡
あっ、ちなみに、手前のテーブルに置かれたミネラルウォーターはありがたいことに無料よ。
座り心地のよいソファーと、ベッド横のレトロなサイドテーブルもすてき。
そして、かなり有り難いことに、ベッド横のサイドテーブルには通常のコンセントの他に、USBコンセントも完備してるわよ〜〜〜〜!!!
クラシカルな宿泊施設の場合、コンセントの数が少なかったり、USBコンセントは付いていないところもあるけど、「ホテルニューグランド」は至れり尽くせりじゃない。
ベッドの前には大きなチェスト。
開けるとテレビがお目見え!
お洒落でクラシカルな部屋にはそぐわない、無機質なテレビは隠してしまうという心遣い。徹底したハイスクラス感よね。
ちなみに、テレビを付けると、WiFiのパスワードが表示される。筆者は始め、WiFiのパスワードがどこに書いてあるのかわからず、かなり探してしまったわ・・・
テレビの横はクローゼットとお茶セット置き場。
広さは27㎡と、ひとりで過ごすには充分な広さ。
かなり居心地がよく、筆者にありあまる富があったら住むね、確実に、ここに。
あっ!ちなみに、ルームサービスもあり、「ホテルニューグランド」発祥の「スパゲッティナポリタン」や「シーフードドリア」をたのむことできちゃうわ。
バスルームもすてき♡
そして、お部屋だけじゃなく、バスルームも素敵なの。
ま〜まず、この扉からしてお洒落じゃない?
ユニットバスに慣れ親しんでしまっている筆者としては、いいホテル特有のバスとトイレが離れている所にカンゲキしてしまう。
普段金魚鉢なみのバスタブで生活している筆者は、広々としたバスタブにテンションが上がり、無駄に風呂に入ってしまったわよ。
そしてアメニティも充実!(ダブルルームのため、二人分あり。)
シャンプー・コンディショナー・トリートメント・ボディソープ・フェイシャルソープ・ブラシ・髭剃り・歯ブラシセット・綿棒・・・とかなりの充実ぶり。
窓の景色も◎
そして、お部屋からの眺めも最高よ!
な・・・なんと!お部屋から山下公園の眺望が楽しめちゃうの♡
街路樹で見えづらいけど、右には氷川丸の姿も!
写真だと街路樹が被さってしまっているけど、肉眼だと本当に素晴らしい景色でテンション上がるわよ。
も〜これぞ横浜って景色が楽しめてしまうんですもの♡
夜の景色はこんな感じ。
横浜ベイブリッジも堪能できちゃう♡
【クラシックホテル】「ホテルニューグランド」チェックアウトは11:00まで。
朝になりました・・・名残おしいですが、いよいよ「ホテルニューグランド」ともお別れです・・・
宿泊プランによっても変わってくるかもだけど、基本的に「ホテルニューグランド」のチェックアウトの時間は朝11:00まで。
すこしゆっくりのんびりできる時間で嬉しいわよネ!
ちなみに、チェックインやチェックアウトは、本館に泊まる人も新館の「ホテルニューグランド タワー館」の受付でおこなうわ。
「ホテルニューグランドタワー館」も、高級感がありクラシカルな雰囲気で素敵。今回は受付ロビーしか使用していないけど、タワー館にも是非泊まってみたいわネ。
【クラシックホテル】横浜「ホテルニューグランド」に泊まって、歴史に思いを馳せよう!
今回は日本を代表するクラシックホテル「ホテルニューグランド」に、宿泊してきた様子をお伝えしたわ。
貴重な昭和建築を堪能しつつ、最高級のホテルステイを楽しめる「ホテルニューグランド」。
ホテルとしての深い歴史と、「プリンアラモード」や「スパゲッティナポリタン」、「シーフードドリア」などの日本の洋食を生み出してきた発祥の地としての重みが、奥深く美しい歴史の旋律を奏でているわ。
ハイクラスホテルなだけあり、筆者のような貧民はなかなか泊まる事はできないけど、何度でも滞在したい素晴らしきホテルだったわよ。
ぜひ皆様も横浜にお越しの際には、美しく重厚な歴史に触れられる「ホテルニューグランド」で、最高のひとときを過ごしてみてはいかがかしら?
【クラシックホテル】横浜「ホテルニューグランド」場所
〒231-0023 神奈川県横浜市中区山下町 10番地
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