
東京都北区赤羽台にある赤羽台団地は、昭和37年(1962)に建設された総戸数3,373戸の巨大団地。板状団地に加え、みんな大好き『スターハウス』も有しており、昭和の名団地と言っても過言ではないわ。筆者にとって、赤羽台団地は聖地中の聖地、団地沼に落ちたきっかけになった団地でもあるのよねー♡
現在はヌーベル赤羽台と名前を変え、新しく生まれ変わってはいるものの、2023年には団地の歴史が学べる素晴らしき資料館「まちと暮らしのミュージアム」が敷地内に爆誕。いまや登録有形文化財に登録されているスターハウスを含めた保存住棟4棟も展示されており、当時の赤羽台団地の面影を感じることができるわ。(※「まちと暮らしのミュージアム」は元々八王子にあった「集合住宅歴史館」を移転してパワーアップさせて素晴らしき施設なのだ!)
そんな名団地・赤羽台団地が千葉県佐倉市にある「国立歴史民俗博物館」に、復元展示されているって知ってた?
建設当初の昭和37年(1962)ごろのライフスタイルが再現されており、団地マニアだけでなく昭和マニアも大満足の展示なんだから!
今回はそんな素晴らしき「国立歴史民俗博物館」の赤羽台団地の復元展示の様子をご紹介しますよーっ☆
【千葉県佐倉市】「国立歴史民俗博物館」の概要
赤羽台団地を堪能する前に、まずは「国立歴史民俗博物館」の概要をチェック☆
アクセス方法や注意点までしっかりチェックして、思う存分に赤羽台団地を堪能しましょ!

「国立歴史民俗博物館」のアクセス方法は?

「国立歴史民俗博物館」があるのは、千葉県佐倉市。
最寄り駅は京成電鉄の京成佐倉駅、南口から徒歩20分ほどで到着できるわ。
歩くのがめんどい人は、バスも走っているので使ってみてネ!⬇
JR佐倉駅北口 一番のりば(田町車庫行き) | 「京成バス千葉イースト」乗車し⇛「国立民族学博物館」下車 |
京成佐倉駅南口 一番のりば(田町車庫行き・京成臼井駅行き・志津駅行き・四街道駅行き) | 「京成バス千葉イースト」乗車し⇛「国立民族学博物館」下車 |
住所:〒285-0017 千葉県佐倉市城内町117
「国立歴史民俗博物館」の入場料と開館時間をチェック!

アクセス方法をチェックしたら、続いては入場料と開館時間をチェツク!
総合展示入館料 | |
一般 | 個人:600円 団体:350円 |
大学生 | 個人:250円 団体:200円 |
高校生以下 | 無料 |
やっすっ!!国の施設だけあり、とってもお安く入館できるわヨ☆(2025年時点の入館料です)
ただ、総合展示の他に企画展示があり、企画展示も見学する場合は、別途入館料が必要。企画展示の入館料は、その都度別に定められるため、気になる企画がある場合は確認してみてネ!
開館時間 | |
3月〜9月 | 9:30〜17:00(入館は16:30まで) |
10月〜2月 | 9:30〜16:30(入館は16:00まで) |
開館時間は季節により変わるので、お越しのさいはお気をつけて!!(2025年時点の開館時間です)
「国立歴史民俗博物館」の展示案内と注意点!

今回は「赤羽台団地」の復元展示を見学する目的だけど、「国立歴史民俗博物館」はそれ以外の展示も豊富!どんな展示内容になっているのか、少し確認してみましょ!
展示内容 | |
1階 | ・第1展示室:先史・古代 ・第2展示室:中世 ・第3展示室:近世 |
地階 | ・第4展示室:民族 ・第5展示室:近代(※リニューアル工事中のため閉鎖中/2026年3月オープン予定) ・第6展示室:現代(※赤羽台団地再現エリア) ・企画展示室A・B |
第1展示室〜第6展示室まであり、赤羽台団地が再現されているのは最後の最後、現代エリアの第6展示室よ。
というか、とにかく、広い、広いったらないのよ、「国立歴史民俗博物館」は!
パンフレットには見学の目安時間として、“ゆっくりひとまわりで1時間30分〜2時間程度です。”な〜んて書いてあるんだけど、嘘!うそ!大嘘よっ!!
全部をじっくり見ようと思ったら、楽しすぎて1日じゃ周りきらないわよっ!あまり時間が取れない時は、確実に見たい展示に絞って見るのをおすすめするわ。
今回筆者は第1・第2展示はほぼスルーし、第3〜第6を見学。それでも4時間ちょっとかかったわよ。
とにかく広くてたくさん歩くので、履き慣れた歩きやすい靴で挑みましょー☆
【国立歴史民俗博物館】昭和の赤羽台団地の展示を見てみよう♪

はい、では「国立歴史民俗博物館」の詳細を確認したところで、いよいよ赤羽台団地の復元展示をみてゆきましょ〜っ♡
先ほども記したように、赤羽台団地が復元されているのは、第6展示室の現代エリア。まぁ、第6展示室の現代エリアとひとことで言っても、ここだけでもかな〜り広い!!
展示としては①「戦争と平和」②「戦後の生活革命」のふたつのゾーンに分かれているわ。赤羽台団地が展示されているのは「戦後の生活革命」ゾーンね。

こちらが赤羽台団地が復元されている、「戦後の生活革命」ゾーンよ。

おおおおおぉぉおおおおおっ!!!奥にはイカした団地の扉が見えるではないですかっ!!
嗚呼、赤羽台!VIVA、赤羽台っ♡

扉に向かう途中には、当時の赤羽台団地のパネル展示もあり、復元展示に向けて気分を盛り上げてくれる♡

嗚呼、昭和の赤羽台♡
ではでは、ここでちょっくら赤羽台団地の歴史をふりかえってみましょ!
赤羽台団地が建つのは、戦前の旧日本軍の陸軍被服廠があった場所。ここは戦後に米軍に接収されたのち、昭和33年(1958)に解除されて公団に払い下げられた土地なの。
この払い下げられた土地に、公団は23区で初めての大規模団地の整備を計画したわ。そして昭和37年(1962)から昭和41年(1966)にかけて赤羽台団地が竣工され、総戸数3,373戸の巨大団が出来上がったってわけ。

広大な赤羽台団地はひとつの街と言っても過言ではなかったわ。団地内には住民が集う商店街や公園があるのはもちろん、中学校が1校、小学校が2校配置されたの。その他にも郵便局や消防署といった公的施設も設置され、団地で生活が廻るほど便利だったみたい。
そもそもこの充実っぷりは、国や都から将来の東京のモデルとなる団地空間を作るという要請を受けて、赤羽台団地が建てられたからこそ。それまでの団地は高度経済成長期に増えつつあった、核家族の入居が想定されていたの。それに加え赤羽台団地は、単身や大家族にも対応するため、2DKの標準設計に囚われず1Kから4DKまでの居室が設けられたわ。
様々なライフスタイルを提案し、多くの人が暮らした赤羽台団地。この多様性はレジェンド団地の名に相応しいわよネ。
(※昭和32年に竣工された蓮根団地から食寝分離の2DKという概念が生まれ、そこから団地の標準設計となっていった。)

では、では、簡単に赤羽台団地の歴史を学んだところで、いよいよ昭和の赤羽台団地が復元されたお家にお邪魔してみましょ!

当時の東京都水道局や赤羽台団地組合のプレートが泣ける。

まずは玄関。
思わず「ただいま!」と言ってしまいそうなぐらいノスタルジック♡どこからともなく、お母さんの手作りカレーの匂いがしてきそう。
一歩足を踏み入れただけで昭和の空気を感じとり、なんだか泣きそうよ。

しかも(おそらく)昭和物であろう靴まで置いてある!!芸が細かい!!

玄関を入り右側は洗面・トイレ・お風呂のゾーン。(トイレは中が見れるようにドアが半分に切られていた)

昭和43年(1968)の東京都のデーターによると、そのころの自家風呂保有率は42.2%
そして昭和40年(1965)の厚生労働省のデーターによると、そのころの日本の水洗便所率が9.2%らしいのよ。
赤羽台団地ができた時期と多少ズレるけど、データーで見ると当時の団地が如何に最新で、憧れのライフスタイルだったかが分かるわよね。
⬇参考サイト⬇
https://www.spt.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2020/08/24/documents/04_01.pdf https://www.mhlw.go.jp/toukei_hakusho/hakusho/kousei/1965/dl/04.pdf
Vitalisなどの昭和すぎるヘアトニックの箱や瓶が置かれた洗面スペースも◎

そして、玄関左側にはダイニングキッチンがっ♡
先述したようにDKの概念ができたのが、昭和32年(1957)に竣工された蓮根団地から。そしてキッチンに設置されたステンレスの流し台が誕生したのが、昭和33年(1958)に竣工された晴海高層アパートからなのよ。
いまでは当たり前のものが実は団地から始まっている。戦後のライフスタイルを確立してきた、団地ってやっぱりすげーや!!
(⬇※このあたりの団地の歴史については「まちとくらしのミュージアム」or「集合住宅歴史館」の記事を読んでもらえると喜びます⬇)

昭和の食卓のノスタルジック感にぐっときちゃう♡

あ、そうそう!復元展示にはベランダも設置されていて、こちら側からも中を見学できちゃうのだ☆

おおおっ〜、ベランダには三種の神器のひとつ、洗濯機様がおられるじゃないですか!!
三種の神器である、洗濯機・テレビ・冷蔵庫を持って団地に入居するのが当時の憧れだったのよネ〜。
そして、ザブやビーズの洗剤のパッケージが巨大!!当時は1回のお洗濯で大量の洗剤が必要だったのだと思うと、現在の技術の進歩に感謝だわよね。こんなでかいの買いに行くのも大変よっ!

いやぁぁっぁ〜っ!!もぅ〜、だめ、愛しすぎる♡ちゃんと当時の窓サッシも移築されているーっ♡

ベランダ側から見るDKも壮観!

棚の上にはゆでたまご器(左)とミキサー(右)。
いろんなメカを持つこのご家庭はかなり裕福。さすがこの時代に赤羽台団地に入居するだけのことはあるわね。

ピカピカのステンレスのキッチン、すてき♡
先述した晴海高層アパートでのステンレスの流し台誕生のエピソードは、伝説のドキュメンタリー「プロジェクトX」でも取り上げられているわ。(妻へ贈ったダイニングキッチンの回)
ちなみに、筆者は学生時代に某TSUTAYAでバイトしていたんだけど、その時のお客さんに「プロジェクトA(ジャッキー・チェンの映画)はどこにありますか?」と聞かれ、なんの躊躇もなく「プロジェクトX」のDVDの場所を案内し、お客さんに爆笑されるという失態をおかしたことがあるわ。あの恥ずかしい場面で、爆笑してくれたあの時のお兄さん!ありがとう!失敗は笑ってもらった方が気が楽だと、そのときに学んだわ。
どーでもいいけど、最近のナウなヤングからしてみたら、某TSUTAYAってスタバ付きオシャレ本屋のイメージなのかしらね?もぅレンタル文化も廃れると思うと、おばちゃんちょっと寂しいわ。


スミマセン、どうでもいい余談でした・・・・
一応復元展示はここまで(玄関・風呂・トイレ・洗面・DK・ベランダ)。残念ながら居室(寝室)は復元されていないのよね。
まぁ〜でも、居室(寝室)がなくても、盛りだくさんの内容でかなり大満足♡筆者は赤羽台団地の復元展示だけで1時間ちょいかけて見学してしまった。みなさまも見学の際は時間を要するので心して挑んでちょーだい!!

あっ!ちなみに、玄関横には団地マニア(もしくは昭和マニア)にはお馴染みの、 昭和35年(1960)に日経映画社が作成した「団地への招待」(公団入居者当選者向けの映画)が上映されていたわ。
「団地への招待」の撮影地であるひばりが丘団地は、「江戸東京博物館」(2025年現在はリニューアルのため閉館中)に復元展示されていたのよ。
(⬇※「江戸東京博物館」の復元展示と、現在のひばりが丘団地の様子が気になる方はどーぞ!読んでもらえると、筆者が喜びます。⬇)
【国立歴史民俗博物館】その他の「戦後の生活革命」ゾーンの展示もちょっぴり紹介!

ここは「昭和レトロ研究所」。折角なので昭和を研究する意味でも、「戦後の生活革命」ゾーンにある赤羽台団地以外の展示も、ちょっくら紹介しておくわネ。
写真は昭和30年(1955)に公開された、成瀬巳喜男監督の映画「浮雲」で使われたセットを再現したもの。高峰みね子さん演じる、主人公ゆき子が住む三畳ひとまの自宅となっているわ。
当時助手だった竹中和雄氏が自宅に保存していた設計図を元に、再現したものなのだとか。

撮影の再現のため、カメラや照明もスタンバイ。
質素で粗末な板壁のバラック小屋が、戦後の混乱と貧しさを思い起こさせるわね。

学生時代に某TSUTAYAでアルバイトに励んでいた筆者。福利厚生でDVDやCDが50円で借りられたため、邦画・洋画問わず昔の映画(1950年代〜80年代のやつ)を本当にたくさん観たものよ。もちろん、名作と名高いこの「浮雲」も観ているのよ、観ているんだけど、頭と記憶力が悪すぎて内容はうすぼんやりとしか覚えていない。なんか、主人公の恋人(既婚者)の倫理観がバグってて、なんとなくムカついたのは覚えている。

まぁ、あれよ、すべての映画の内容を覚えていないわけではなく、影響を受けまくった作品とかはちゃんと覚えてるからね!とかなんとか、言い訳しながら次の展示もみてみましょう。
こちらはテレビCMの編集室を再現したもの。モニターにはテレビ放映開始から1970年代頃までの懐かCMが流れており、とってもノスタルジック。

その他には懐かしのおもちゃが展示されていたりするわ。

昭和44年(1969)に発売され、当時の価格で2500円という高額ながらも、1年間で17万個を売ったという伝説の玩具“ママレンジ”も展示されたいたわ。
“ママレンジ”を発売していたアサヒ玩具は昭和57年(1982)に倒産しているため、筆者は元祖“ママレンジ”をリアルタイムでは知らない。でも似たようなおもちゃはあって、ほんのり憧れていたのよネ。こーいうミニチュアって女児心をくすぐるじゃない?
まぁ〜でも、あまり裕福ではない筆者家では買ってもらえるはずもなく、金持ちのお友達が持っているのを見て羨ましく思ったものよ。持つものと、持たざるもの、おもちゃひとつで世間の厳しさと不公平さ知ることができた子供時代だったわ。(まぁ要はビンボーってこと)

そして「戦後の生活革命」ゾーンの最後は、ゴジラが見送ってくれる。
実は昭和マニアを自称する筆者ですが、映画の「ゴジラ」を見たことがない。唯一観たのが「ゴジラ-1.0」(2023年公開)というね。まぁ、アレ、戦後が舞台だからさ。
と、まぁ「戦後の生活革命」ゾーンだけでも、かなり充実した展示内容となっているわよ。
【国立歴史民俗博物館】赤羽台団地の復元展示を見にゆこう☆

はい、今回は「国立歴史民俗博物館」に復元れた赤羽台団地の展示の様子をお伝えしたわ。
しっかり昭和の暮らしが再現され、とてもためになる展示内容は、さすが民博といった感じよネ♡いやぁ〜本っ当に、団地っていいものですね!
そして今回は赤羽台団地にフューチャーしているものの、それ以外の展示も素晴らしく楽しいので、ぜひ皆様も「国立歴史民俗博物館」に足を運んでみてネ♪
筆者のような昭和マニアだけでなく、いろんな時代のマニアの人が楽しめることうけあいよ☆

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