横須賀にはかつて柏木田・安浦・皆ヶ作と3つの色街が存在していたわ。柏木田のみ公認の遊郭で、安浦と皆ヶ作は私娼街として発展していったの。
安浦に関して前回記事を書いたんだけど、皆ヶ作に関しても書いておこうと思いちょっくら足を運んできたわ。ただ、初めにお詫びしておきたいのが、ただただ現地を歩きまわり当時の遺構を撮影してきたのみで、筆者に皆ヶ作の歴史などの知識がないのよ・・・(ちゃんと調べてない)そのためかなり薄っすい内容になってしまっているのが申し訳ないわ・・・
【軍港の小さな色街】横須賀・皆ヶ作カフェー街の場所
はい、ではまずはカフェー街の場所を見ていきましょ。
最寄り駅は京急電鉄の京急田浦駅で、住所は神奈川県横須賀市船越町6丁目付近。近くには海上自衛隊の施設がある長浦湾があり、艦船が行き来する姿をみる事ができるわ。
親切な人がGoogle Mapにピンを差してくれているので、とりあえずこの場所を目指す事にしましょ!
【軍港の小さな色街】横須賀・皆ヶ作カフェー街の歴史(ちょっとだけ)
そもそもこの町は、明治時代初頭から軍港として開かれていて、海軍の兵器を製造・修理する工廠造兵部が置かれていたの。(跡地は現在東芝ライテックの本社がある。)海軍で栄えてきた町に銘酒屋が集まり、皆ヶ作に色街が形成されていったようね。
皆ヶ作カフェー街の規模は小さかったようで、昭和30年(1955)頃には40軒程の店が営業していたみたい。その後売春防止法が施工され、色街としての幕を閉じることとなったわ。
そして安浦もそうだったのだけど、昭和21年(1946)にGHQにより公娼制度が廃止された後、皆ヶ作が赤線に移行したのか青線として営業していたのかは、調べたけどわからなかったわ・・・横須賀の色街で柏木田遊郭は完全に赤線として営業していたようなんだけど、皆ヶ作と安浦はどっちだったのかしら?多くの諸先輩方のブログでは赤線と明記しているものが多いけど、筆者は自分で資料を見つけることができなかったから、一応からぼやかしとくわねw
(※赤線:特殊飲食店として売春を許容・黙認していた地域 青線:特殊飲食店の営業許可なしに、一般の飲食店の営業許可のままで、非合法に売春行為をさせていた区域。所轄の警察署がそれぞれの地域を地図上に赤線・青線で囲っていたことからこう呼ばれている。)
【軍港の小さな色街】横須賀・皆ヶ作カフェー街跡を歩く
はい、では場所を確認したところで、皆ヶ作カフェー街跡を歩いていきましょ!
旅の始まりは京急電鉄の京急田浦駅。ちなみにJR横須賀線にも田浦駅があるけど、めちゃくちゃ離れているから注意してネ!
駅を出て暫く進むと、ゆるやかな登り坂にあるカフェー街の小道に辿り着ける。新しい建物の中に古い建物が点在する小道は、なんだかわくわくしちゃう。
そして小道を歩いているとすぐにインパクト絶大なカフェー建築に出くわすわ。
う・・・美しい!!
モダンなカフェー建築に、目が釘付けになってしまう。
今は廃墟になっているようで、美しいアーチ型の窓が朽ち果てている。でもこの朽ち果て具合すら美しいというね・・・
入口には趣のある鑑札がかかる。
インターネット情報によると、ここは「バー城」という名で数年前まで営業していたそう。元々はカフェーだったのが、戦後にバーに転業したようね。(売春防止法以降?)
この建物を見れただけで感無量なんだけど、折角なのでもう少しぶらぶらしてみましょ。
そしてまたまた素敵な建物を発見。
色気ただようこちらの和風建築は、現在は住宅として使われているよう。
あまりの素敵さに写真を撮りまくりたくなるけど、ご迷惑になりそうなので印象的な飾り窓のみ撮影させていただく。意匠を感じる外観は、まるで当時の空気をそのまま閉じ込めたよう。
皆ヶ作の町は坂の上にあり、細く緩やかな坂が続く。蛇行した細道は私娼街の趣を感じさせ、風情があるわよね。
なんて事を考えながら歩いていたら、またまた素敵な建物を発見。
外壁が綺麗に塗り直されているものの、隠しきれないカフェーの面影。
カーブした1階部分や2階のアーチ型の窓、屋根の細工など細かい部分まで凝っていて、かなり瀟灑でモダンな建物ね。どこを切り取っても絵になるわ。
リノベーションしつつ大切に住まわれている姿は、他人事ながら嬉しい気分になってしまう。
意匠を感じる美しい建物を眺めながら歩を進めると、またまた素敵な建物を発見。
こちらも現在は民家として使われている建物。入口を隠すように建てられた板塀が、何ともいえず趣深い。
皆ヶ作の町は現在、完全なる住宅街に姿を変えている。周りには真新しいマンションも立ち並び、当時の面影も少しずつ消えていっているそう。それでもこうして古い建物が共存している風景にはちょっぴり感動してしまう。
なんて事を考えながら歩いていたら、坂の上にレトロすぎる廃墟を発見。
かなり立派なコンクリートビル!
とりあえず建物に近づくために、雰囲気ありすぎの坂を登る。
残念ながら柵には鍵がかかり、中には入れないみたい・・・
どうやらこの建物は、大正15年(1926)に建てられた、旧田浦町役場なんだとか。
この建物はずっとここで、皆ヶ作の町の歴史を見守ってきたと思うと感慨深いわね。
【軍港の小さな色街】横須賀・皆ヶ作カフェー街を歩こう!
はい、今回は横須賀にある皆ヶ作カフェー街跡を歩いてきた様子をお伝えしたわ。
当時の面影を残すカフェー街の遺構が、ひっそりと町に溶け込む姿は儚く美しい。やはり近年は遺構の数も減ってきているようなので、少しさ寂しくもあるわよね。
今回はかなり勉強不足のまま歩き回ってしまったのが心残り。この美しい遺構が消えてしまう前に、できればもう一度足を運びたいものだわ・・・
☆★安浦は現在住宅街になっています。住民の方の迷惑にならないように、静かにひっそり見学しましょう!★☆
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