昭和の高度経済成長期以降の日本は豊かになるにつれ、大気汚染などの公害問題や、水質汚染や自然破壊などの環境問題が叫ばれるようになったわ。
住宅不足の問題を解決するため、この時期には郊外に団地が建てられるようになり、山を切り崩し団地が建てられることもあり、人々が生活をするために自然が壊されるという事もしばしば・・・
そんな環境破壊が問題になっている時期に、自然との共存を目指す団地が誕生した。その団地とは昭和47年(1972)に竣工した、神奈川県横浜市にある「竹山団地」よ。
竹山団地は里山を切り崩して建てられた団地。いままでの団地にはなかった人工池を作り、造成前の生態系を極力再生することをコンセプトに建てられたのよ。
人工池のある3101・3102・3103号棟は、池に浮かんでいるかのような構造。モダンで格好いい建築物は、団地マニア以外にも建築マニアにも人気の団地となっていて、DOCOMOMOJapan選定建物にも選ばれているのヨ!
今回はそんな自然と共存した、モダンな団地「竹山団地」を歩いてきたのでレポートするわネ!
【人口池のある団地】団地の顔!「竹山団地」3101・3102・3103号棟
「竹山団地」は開発面積45haに135棟が建並び、総戸数2800戸を誇るマンモス団地。
その中でも「竹山団地」のメインとなる、人工池がある3101・3102・3103号棟からみていきましょ☆
筆者が雑に加工したGoogleの地図を見ていただいてもわかる通り、建物中央部に「竹山池」なる池があるのがわかるわね。
「竹山団地」があるのは、神奈川県横浜市。横浜市とはいっても緑区にあるため、横浜駅近隣の西区や桜木町近隣の中区などに比べ、緑も多く落ち着いた場所。
最寄りの駅としては横浜線の鴨居駅から、2.5キロほど離れているけどバスも出ているのでアクセスは良いわ。しかも横浜線の鴨居駅は2つ隣が新横浜駅という好立地。横浜方面へ出るのには勿論、新幹線で都心へ通勤なんていうのも優雅でいいわよネ〜。
ちなみに筆者は鴨居駅から歩いたけど、3101・3102・3103号棟までは30分ほどかかったわ。山を切り崩しているだけあり、坂道も多いんだけど、自然も多いのでゆっくり散策するのに丁度良いわ。
はい、そして歩いてやってきました!「竹山団地」メインとなる3101・3102・3103号棟と人工池よ!
池の上に団地が浮いているような構造が、モダンさと近未来感を感じて最高にイカす。
この最高にイカした団地は、緒形昭義氏の群建築研究所に設計が依頼されたもの。緒形昭義氏は横浜の寿町総合福祉会館などを手掛けたモダニズム建築家よ。
そのため「竹山団地」もモダンな雰囲気が漂っている団地になっているわ。「竹山団地」が出来た昭和40年代は、多くの建築家がモダンな団地を建てた時期でもあるのよね。
そんなモダンな建造物に寄り添う人工池には、鷺やカモなどの鳥達が訪れたり、ヤゴからトンボになるまでの生態系も観察できるんだとか。しかも団地の花火大会がここで行こなわれるですってよ!豪華!!
そしてこの人工池は生態系を観察できるだけでなく、元々里山だった地形に造成しているため、雨水の調整機能も兼ねて造られたみたい。
少し高台に登り団地と人工池を眺めようとすると、木々に遮られてしまう。それだけ自然が多いということがわかるわネ。
そしてこの高床式の団地の構造も息を呑むほどカッコ良い!
3101・3102・3103号棟に住んでみたいけど、この区画は分譲団地なんですって。
住居部分が凹凸になっているのも、採光や騒音の問題が軽減されそうで、住居としても優秀な構造じゃないの。
ゆとりがあるのに無駄のない作りで、おまけに美しなんて完璧じゃない♡
【竹山団地】3101・3102・3103号棟の1階・商店街と格好良すぎの階段
「竹山団地」の3101・3102号棟の1階は商店街になっていて、ドラッグストアなどの商店が軒を連ねる。シャッター商店街ではなく、どこも現役で住民の方が買い物している姿が見られるわ。
その他にもスーパーの「A-COOP」があり、かなり賑わいを見せていたわよ。
昨今の団地は高齢化も進み、商店街もシャッターが降ろされている所も少なくないけど、「竹山団地」は現役感のある団地ね。
ちょっとした広場なども設けられており、人工池を眺めながら一息できる安らぎの場になっているみたい。
団地の中にこういった安らぎの場所があると、少し生活にゆとりを感じるコトができるわね。
そして1階にはしっかりと、DOCOMOMOJapan選定建物に選ばれている証明の看板が!
認定されているのは「竹山団地」全体ではなく、3101・3102・3103号棟のみ。
おっ〜っと、そして3103号棟の下には、空き店舗のようなものを発見。
ガラス張りの広い空き店舗は、なにかに有効活用できそう。ここでカフェでもやったら素敵じゃない??
「竹山団地」の3103号棟の下では、空き店舗以外にボートも発見。関係者以外ボートは使用禁止のようだけど、一度でいいからこの人工池をボートで巡ってみたいわネ〜。
そして3101・3102号棟と3103号棟の間には、2階に行くモダンな階段があるわ。
異常なまでにわくわくする階段じゃな〜い???筆者が「竹山団地」の住人だったら、この階段をむやみに上り降りしちゃうかも。
階段の柱が池の中にあるっていうのが、わくわくポイントが高いのよネ♡
この螺旋階段状になっているトコロも好き♡
アトラクション的に楽しめる、格好良くって優秀な階段で2階に到着!
階段の造形も美しいわ♡
【竹山団地】3101・3102・3103号棟の2階・ピロティ
格好良くって優秀な階段で2階に上がると、そこはピロティになっているわ。かなり広々とした空間ネ。
3階以上が住居となっているため、2階のピロティから住居部分に行けるようになっている。
住居へ行く階段の入口も、丸みのあるレトロな感じで素敵♡
2階のピロティからは、「竹山団地」の人工池が見渡せるわ。こうやって見ていると、「竹山団地」が山を切り崩して造成されたという地形がよくわかるわネ。
2階のピロティは道路と平行に面していて、この道路沿いにはバス停もあり。
人工池のある3101・3102・3103号棟は、団地の主要スポットが詰まった便利な場所になっているわネ。
嗚呼・・・それにしても、道路側から見ても凹凸の住居部分がモダンで美しいこと!
【竹山団地】3101・3102・3103号棟だけじゃない!ポイントハウスも見どころ!
「竹山団地」は広い。3101・3102・3103号棟はその一部に過ぎない。団地に設置された昭和の雰囲気満載の案内図を見てもわかる通り、広大な敷地に沢山の団地が建っているわ。
通常の板状団地やマンションタイプの団地などもあるけど、広い敷地を活かして、贅沢なポイントハウスも数多く散見される。
敷地にゆとりがあるからこそ、道路沿いには美しく均等にポイントハウスが並んでいるわ。
人工池とモダンな3101・3102・3103号棟のインパクトが強いため、「竹山団地」ではインパクトが弱くなってしまっているものの、ゆとりあるポイントハウスはやっぱり最高に格好いいわよネ!
嗚呼・・・美しい♡
ポイントハウスがある団地は、どこか豪華でゆとりを感じるコトができるわ。やはり団地のランドマークと言っていい存在よネ。
敷地が広く、自然と共存できている「竹山団地」だからこそ、贅沢にポイントハウスが建っているかと思うと胸アツ♡
もちろん通常の板状団地も数多く存在している。公園や緑が多い環境で、静かでゆとりのある空間は、贅沢な生活が送れそうネ。
【昭和の団地をアップデート】「竹山団地」の取り組み
高齢化による人口減少や、老朽化による全面建て替えの問題が、昨今話題になる昭和に建てられた団地たち。建設されてから50年以上たつ「竹山団地」も例外ではないみたい。
そんな中「竹山団地」では専用のホームページをこしらえていて、団地での暮らしや耐震性などを発信しているわ。こうした取り組みで若い世代にアピールするのは素晴らしい取り組みよネ!
ホームページを見ていると、古い団地ながら耐震性もしっかりしていて、地区によってはペットが飼えたりとかなりイイコト尽くめの「竹山団地」。個人的には建て替えとかしないで、このまま格好いい”昭和の団地”を貫いてほしいトコロだわ。
【人工池のあるモダン団地】自然と共存する「竹山団地」を歩こう♬
今回は神奈川県横浜市にある、人工池のあるモダンな団地「竹山団地」を歩いてきた様子をお伝えしたわ。
3101・3102・3103号棟と人工池は、DOCOMOMOJapanに選定されたモダンな昭和遺産。それだけじゃなく、ポイントハウスも豊富で見どころ満載の魅惑の団地だったわネ!
そして都内や横浜市内にもアクセスしやすいのに、緑が多く自然と共存した「竹山団地」は、最高の団地よネ!
ぜひこんなに魅力満載の「竹山団地」を皆様も歩いてみてはいかがかしら?団地マニアじゃなくても、そのモダンで清々しい姿にきゅんきゅんしちゃうんだからっ♡
☆★団地は住宅です。住民の皆様の迷惑にならないように、静かに楽しく見学しましょう!!★☆
【人工池のあるモダン団地】「竹山団地」の場所・詳細
〒226-0005 神奈川県横浜市緑区竹山3丁目
最寄り駅:JR横浜線 鴨居駅
鴨居駅から横浜市営バスあり(棟により乗車するバスが違うので注意!)
バス行き先:「竹山団地入口」「竹山団地折返場」「鴨居町」など。
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