いやだ!いやだ!絶対嫌だ!!絶対に信じたくない!お願い、嘘だと言ってEEEEEE!!!!!
と・・・・スミマセン、冒頭から取り乱しました。
いやね、2021年3月に筆者にとっては、自分の体重計の数値や預金残高の少なさと同じぐらい信じたくないニュースが駆け巡ったの。
そう、それは「中銀カプセルタワービル2022年解体へ、建替えを希望する建築業者に売却決定。」との衝撃ニュース。
以前から解体の話もあったけど、保存派の動きも強くあれだけ人気があり、建築・アート的にも価値がある建物はそう簡単には解体されないだろう・・・な〜んて高を括ってたわけですよ・・・
それがこの結果・・・「中銀カプセルタワービル」が解体されるなんて、これは取り乱さずにはいられないわけよ。
と、いうことで、今回はそんな素晴らしき昭和建築「中銀カプセルタワービル」の見学に行ってきたからその様子をレポートするわ。
\⬇埼玉県北浦和公園に展示されている「中銀カプセルタワー」のモデルカプセルの様子はこちら⬇/
昭和レトロ建築「中銀カプセルタワービル」とは
まずは「中銀カプセルタワービル」について簡単に説明するわね。
「中銀カプセルタワービル」は建築家・黒川紀章により設計され、昭和47年(1972)に施工されたカプセル型の集合住宅、そしてメタボリズム建築の代表作よ。
場所は東京都中央区銀座にあるわ。
この独創的な外観は、はじめに支柱となるツインタワーを建設してカプセルを嵌め込んでいるので、カプセルごとに取り外して移動や交換も可能な作りになっているわ。
黒川紀章としても建築当初の思惑としては、カプセルが古くなったら交換したり、カプセルを取り外して部屋ごと引っ越せるように、な〜んてことも考えていたみたいね。実際には一部のカプセルのみを取り外すのは無理なので現在にいたるまで一度もカプセルは交換されてないんだけれども。
ちなみに黒川紀章は昭和45年(1970)の大阪万博のパビリオン、「タカラ・ビューティリオン」で「中銀カプセルタワービル」のようなカプセル建築を設計しているわ。
まずは「中銀カプセルタワービル」外観を堪能
まずは中を見学をする前に、この素晴らしきレトロ建築の外観を堪能しましょう。
美しくはめ込まれたカプセル。見学に行った日は雨が降っていたので、ビルに霧がかかって哀愁をさそうわ・・・
外観をよ〜く観察しているとひときわ目立つカプセルに目を奪われるわ。本来のカプセルは正面の丸窓ひとつだけなんだけど、真ん中のカプセルだけ横に四角い窓がたくさんついているの!
これ、長年の謎だったんだけど、カプセルの住人が自分でDIYして取り付けたんですって!すごい!!(本当はダメらしいんだけど・・・)
ちょうど真ん中でA塔とB塔にわかれているわ。
エントランス。
表示が「カフセルタワーヒル」になっている。
さあ続いては内部も見ていきましょう。
「中銀カプセルタワービル」、カプセルの中は?
それではさっそくメタボリズムの聖地「中銀カプセルタワービル」のカプセルに潜入よ。
こちらは住人が住んでいない見学用のカプセル。
内装はほぼ当時のままだけど、施工当時は窓側にベットが備え付けれれていたわ。居住空間はだいたい4畳半ぐらい、カプセル全体の広さは10平米なんだとか。
カプセル内はキッチンが付いていないんだけど、テレビや電話、ステレオが完備。
当時はここに住むというよりはビジネスマンのセカンドハウスとしての側面が強かったから、作りとしては凄くシンプル。平日はここから仕事に行き、週末は自宅に帰るスタンスだったみたい。昭和のビジネスマンは働き者ね。
また分譲のホテルとしての役割があった為、カプセルレディなるコンシェルジュも常駐していたそう。
でも令和の今コロナの関係もあり、テレワークの需要も伸びているし、ワーキングスペースとして借りたい人も結構いると思うのよ。なんならドロップインで一日貸しもできたら最高じゃない?
解体せずにカプセルだけ交換してそういう使い方しないかしら?
SONY製のステレオ、オープンリール式のテープレコーダーが昭和!
SONY製のアナログテレビ、チャンネル回すやつ。いまだに「チャンネルを回す」って言っちゃう。
「中銀カプセルタワービル」が解体されたとしてもこういった家電は保存しておくことは可能なのかしら?
可動式の机。昭和のビジネスマンはここに書類を山積みにしてお仕事していたのかしら?
円形の窓にはブラインドが。ちなみに窓の開閉はできないので換気は無理。
入り口とユニットバス。
トイレ・シャワー・洗面の3点ユニット。
結構狭い!一応浴槽あるけど、入ってみたら圧迫感があったわ。
ちなみに現在はカプセルの配管が老朽化しているためユニットバスは使えなくなっているわ。住人の方は共用のシャワーやトイレを利用しているそう。
これ、灰皿なんですって。ユニットバスにまで灰皿が完備されているなんて正に昭和!
昭和のビジネスマンの必須アイテムは煙草よね。
レゴでできた「中銀カプセルタワービル」が飾ってあったわ。(非売品)欲しい!!レゴで見ると「中銀カプセルタワービル」がツインタワーになっているのがわかりやすいかも。
では続いては、共用部分を見ていきましょう〜
「中銀カプセルタワービル」、共用部分は?
さぁここからは共用部分を見ていきましょう!12階のA塔とB塔を結ぶ渡り廊下からカプセルを眺めたところ。
それぞれのカプセルの隙間は意外と狭い。
カプセルの下側には配管が。こういった配管を直すのにもカプセル同士の隙間が狭いため難しいそう。直すためにはやはりすべてのカプセルを取り外して修繕する必要があるみたい。
施工当時のA塔はの内部廊下の壁は一面ピンクだったみたい。(写真:当時の塗装が一部残った部分)
B塔の内部廊下はブルー!(写真:写真:当時の塗装が一部残った部分)
A・B塔ともに電気メーターはオレンジ!
補修された時にグレーに塗り直してしまったようだけど、このポップな色使いがいかにも70年代っぽくって素晴らしいわ!
「中銀カプセルタワービル」見学方法、感想。
続いては「中銀カプセルタワービル」の見学方法を案内するわ。勝手に中に入ったら完全なる不法侵入だから注意して!
「中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト」の方が見学日を設けてくれているので、HPから確認してメールで申し込むことができるからチェックしてみてね。
見学時間はだいたい45分ぐらい、参加費として¥3000支払うと見学することができるわよ。(参加費は保存・再生プロジェクトの活動費に充当)
見学してみて思ったことはやはり素晴らしいと・・・老朽化しているところも目の当たりにしてこのまま現状維持は難しいのはわかるけど(アスベスト問題もあったし)、なんとか解体せずに保存・修繕して残してほしかったわ。
コロナの影響を受けて、カプセルを手放すオーナーさんも結構いるみたい、筆者にありあまる富があったら全カプセル買い取るのに・・・
解体前にもう一回ぐらい見学に行きたいわ。
\⬇埼玉県北浦和公園に展示されている「中銀カプセルタワー」のモデルカプセルの様子はこちら⬇/
「中銀カプセルタワービル」場所。
東京都中央区銀座8丁目16−10
最寄り駅:JR・東京メトロ・都営地下鉄 新橋駅駅から徒歩約8分
ゆりかもめ 汐留駅から徒歩約7分
東京メトロ・都営地下鉄 東銀座駅から徒歩約8分
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