こちら葛飾区亀有公園前派出所 85 (ジャンプコミックスDIGITAL)
(⬆”トンガリ帽子の取水塔”こと金町浄水場取水塔が描かれた、「こち亀」85巻。)
アニメ版「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の3代目オープニングとして使われていた「葛飾ラプソディー」、今なおCMなどで使われ、多くの人に愛され続けているわよね。
筆者は「こち亀」が好だったというのもあるけど、今でも定期的に聞いているぐらい「葛飾ラプソディー」が大好き。そして筆者だけでなく、両さんと同じ台東区出身(浅草ではない)で葛飾区にも住んでいたことのある筆者の母も好きでねぇ、よく鼻歌で歌っていたわ。当時すでにオバちゃんだった筆者の母にまで刺さり、多くの世代に愛されるアニメ主題歌って素晴らしいし、後世に残したい神曲よね。
と、多くの世代に愛される「葛飾ラプソディー」ですが、この楽曲には亀有・水元・柴又と葛飾区の地名や名所が出てくるわ。そんな歌詞の中でも印象的なのが、”トンガリ帽子の取水塔”。
今回はそんな”トンガリ帽子の取水塔”を見るため、葛飾区散策をしてきたわよ。そして、”トンガリ帽子の取水塔”から、アニメのオープニングにも登場していた”矢切の渡し”〜「男はつらいよ」でお馴染みの葛飾柴又”帝釈天”へと巡ってきた様子をお伝えするわ☆
【こち亀】「葛飾ラプソディー」とは?
こち亀百歌選~主題歌ベストコレクション~
はい、では今更ではありますが、”トンガリ帽子の取水塔”に向かう前に、「葛飾ラプソディー」のおさらいをしておきましょ。
「葛飾ラプソディー」はアニメ版「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の3代目オープニング曲として、平成9年5月4日放送分(第36話)から平成11年(1999)7月25日放送分(第135話)まで使われていたわ。(その後Yum!Yum!ORANGEのカバー楽曲が7代目オープニングとして2003年10月12日(第300話)から 2004年12月19日(第344話・最終話)まで使用されていた。)
歌っているのはシンガーソングライターの堂島孝平さんで、作曲も手掛けているわ。作詞はポップスからアニソンまで数多くの楽曲を手掛ける森雪之丞先生。先生は「こち亀」の前にやっていた「キテレツ大百科」の神曲「お料理行進曲」も手掛けているの。
楽曲の制作にあたり、原作者の秋本治先生の意向で、「こち亀」の舞台である葛飾区の実在の地名や名所を詞の中に登場させたのだとか。1番は中川に浮かぶ夕日の亀有近辺、2番は水元親水公園中央広場有する水元近辺、そして3番にとんがり帽子の取水塔含む柴又近辺が出てくるわ。さすがに葛飾区でも東京拘置所でお馴染み小菅は出てこないけど・・・(こち亀なら有りだと思うけど。)
でも「葛飾ラプソディー」が凄いのは、アニメの主題歌とかご当地ソングということを抜きにして、楽曲として素晴らしいこと。歌詞が素晴らしいのは勿論、キャッチーなメロディラインと堂島孝平さんの歌唱がマッチして、少しノスタルジックな気分になるわよね。アニメを見ていた時よりも、大人になってからの方が、より良さがわかり染みる楽曲だと思うのよね〜。当時すでにオバちゃんだった筆者の母に、刺さりまくった理由が今ならよくわかる。
【葛飾ラプソディー】金町駅”トンガリ帽子の取水塔”のベンチ
はい、それでは「葛飾ラプソディー」のことが少しわかったところで、いよいよ”トンガリ帽子の取水塔”へと向かいましょ☆
旅の始まりはJR常磐線金町駅。金町駅は「こち亀」の舞台である亀有の下り隣の駅よ。
柴又からも”トンガリ帽子の取水塔”へ向かうことはできるんだけど、是非金町から行くのをオススメするわ。
なぜならば、金町駅前にはこんなに素敵な”トンガリ帽子の取水塔”を模したベンチが設置されているからっ!!
”トンガリ帽子の取水塔”が設置されているのが実際には葛飾区金町ということもあり、金町のシンボル的存在になっているのね。
そしてこのベンチには、筆者のような観光客のために”トンガリ帽子の取水塔”へ向かう地図も載っていたわ。完全に観光名所じゃないの!
このベンチ自体は比較的新しく、令和3年(2021)7月に設置されたものらしい。金町はもっと”トンガリ帽子の取水塔”を推していった方がいいと思うのよ、だって筆者もてっきり柴又にあるんだと思っていたもの。
【葛飾ラプソディー】”トンガリ帽子の取水塔”へゆく。
さぁそれでは、いよいよ”トンガリ帽子の取水塔”へ向かいましょ〜!
金町駅を出て高速道路を眺めながら歩を進めます。
清々しい風を感じながら、歩道橋を渡っていると・・・・
東京都と千葉県を隔てる一級河川・江戸川の登場です☆
”トンガリ帽子の取水塔”はもうすぐそこよっ!
橋を渡れば、もう千葉県か・・・な〜んてしみじみ思っていたら・・・・
見えたっ!!!”トンガリ帽子の取水塔”!!!本当にとんがってるーーーーーーーっ!!!!
【昭和16年(1941年)築】”トンガリ帽子の取水塔”を愛でる。【昭和遺産】
おおおおおおぉぉぉおおぉおおぉっ!!!!本物!!「葛飾ラプソディー」に出てきてアニメのオープニングや「こち亀」85巻の表紙にも描かれていた、本物の”トンガリ帽子の取水塔”よぉぉぉぉおっ!!!
あの光景が、今筆者の目の前にあると思うと、無性に感動して泣けてくるんですけどっ!そして、勿論頭の中では「葛飾ラプソディー」がエンドレスループ。
そしてこの”トンガリ帽子の取水塔”は、「こち亀」とか抜きにしても、建造物としても素晴らしいの。
この取水塔ができたのは、なんと昭和16年(1941)!正式名称(?)は金町浄水場第2取水塔といい、すぐ近くにある金町浄水場に今でも現役で導水しているわ。
ちなみに金町浄水場の沿革については以下の通り。
金町浄水場は、大正15年8月、当時の南葛飾、南足立、北豊島3郡の12町村を給水区域とする「江戸川上水町村組合」の施設として給水を開始しました。昭和7年に東京市に引き継がれ、その後数回の拡張改良工事が行われ、平成4年には、東京都で初めてオゾンと生物活性炭とを組み合わせた高度浄水施設の運転を始めました。
引用:東京都水道局
取水塔はレンガ造りで、当時の技術がつまった見ごたえのある建造物。美しい造形美は、まさに昭和遺産!
どんな角度から見ても美しい。さすが戦前から生き抜く取水塔だけあるわネ。
”トンガリ帽子”も可愛らしく、本当にいくら見ていても飽きない美しさがあるわ。
「葛飾ラプソディー」の歌詞通り、”トンガリ帽子の取水塔”から帝釈天へと夕日が落ちる姿を見てみたかったけど、筆者は昼間に訪れたため夕日は見れず・・・・その代わりといっちゃあなんだけど、飛行機雲とのツーショットが撮影できたわ。
【トンガリ帽子だけじゃない!】まるい帽子の第3取水塔も素敵!
そして取水塔は”トンガリ帽子”だけではないわ。
「こち亀」の85巻の表紙やアニメのオープニングでも一緒に描かれていた、まるい帽子の取水塔も忘れてはいけない。
”トンガリ帽子の取水塔”に寄り添うように建てられたこちらは、金町浄水場第3取水塔。
まるい帽子が愛らしい。
第3取水塔はまだ新しく、とはいっても出来たのは昭和39年(1964年)。こちらも現役で金町浄水場に導水しているわ。
ちなみに、第1取水塔も以前はあったのだけど、第3取水塔が出来ると同時に役目を終え解体されたのだとか。
あっ、そうそう!筆者は「こち亀」目線でこの記事を書いているけど、両さんと並ぶ葛飾区のスター・寅さん率いる「男はつらいよ」のロケ地としても知られているわよ。
【葛飾ラプソディー】土手から眺める取水塔
「こち亀」85巻の表紙では両さんと麗子さんが土手の上に座って江戸川を見ているので、筆者も土手の上で同じ構図で写真を撮りたい!との思いから、土手を登ってきましたよ。
表紙の絵は、だいたいこの辺りかしら?
ちなみに、アニメのオープニング映像ではこのあたりで、こどもたちが虫取りをいているシーンがあったわネ。(著作権上画像貼れないので、気になる人は探してみてネ。)
こうして歩いていると、心なしか自分が「こち亀」の登場人物(もちろんモブ)になった気になってくるわ。
筆者は今回初めて訪れたのだけど、なんだか無性に懐かしい気分になる。「こち亀」の影響もあるんだろうけど、もしかしたら下町っ子だったばーちゃんとかーちゃんのDNAが筆者にまでそうさせるのかも・・・なんて思ったり。
あ、そうそう、念のため取水塔は立入禁止なのであしからず。
まるい帽子の取水塔。
飛行機雲もいい感じ。
そして土手下には金町浄水場があるわ。
なにげに浄水場内の建物も昭和感いっぱいで素敵!
【つれて逃げてよ♬】”トンガリ帽子の取水塔”から矢切の渡しへ。
では続いては”トンガリ帽子の取水塔”後をして、”矢切の渡し”へと向かいましょ。
取水塔からは歩くと10分ほどかかるけど、なんせここは江戸川沿い、散歩がてら気持ちよく歩けるわよ。
遠くに浄水場のタンクや、うっすらと取水塔が見える。
なんてことを思いながら、”矢切の渡し”に到着☆
すっごい見にくいけど、♬つれて逃げてよ〜♬でお馴染み「矢切の渡し」の歌碑がしっかり建っているわ。
「矢切の渡し」は作詞:石本美由起、作曲:船村徹により、昭和51年(1976)に発表された楽曲。元々はちあきなおみさんのシングルB面曲として発売されたわ。(その後1982年にはA面シングルとして発売)その他には、昭和58年(1983)にはキティラーとしてもお馴染みの細川たかしさんも、「矢切の渡し」のシングルを出しているわね。
どうやら松戸側にはたかし直筆の「矢切の渡し」の碑が建っているそう。
「矢切の渡し」の歌詞は、恋に生きたいふたりが柴又捨てて松戸側へわたる歌(ざっくり)なので、ここから旅立ったのかと思うと胸アツよネ。
まぁ、いまだったら柴又から松戸へ渡ったとて、秒で捕まるわよね。(昭和時代にもすでに橋は架かってましたし、勿論電車も通ってました。)
ちなみに現在では「矢切の渡し」の運行は、土日祝日のみ。もし恋に生きたいふたりが松戸側に逃げたい場合は、平日でも動ける車を使うか常磐線で行くのがベストよ。
ちなみに乗船料は大人200円、こども100円、常磐線の金町〜松戸間は170円なので、それよりも高くつくしね・・・(まぁ現在では交通機関というより、アトラクションなので値段の問題じゃないわ。)
この日は平日だったため、がっちり柵がしまっていたわ。
注意書きもしっかり掲示。
ちなみにアニメ「こち亀」3代目のオープニングにも、泥棒を追っている両さんの後ろの背景に、矢切の渡し乗り場が登場しているわ。そして「男はつらいよ」の1作目では、寅さんが矢切の渡しに乗って柴又へ帰ってくるシーンがあるわネ。
【男はつらいよの舞台】葛飾柴又、帝釈天へ。
はい、そして”矢切の渡し”から歩くこと8分ほど。やってきました!生まれも育ちも葛飾柴又、帝釈天の産湯につかった寅さんでお馴染み「男はつらいよ」の舞台・帝釈天です☆
いやぁ〜それにしても、やっぱり一大観光スポット!平日だというのに凄い人!!「男はつらいよ」を見たことない人でも、柴又の帝釈天っていったらわかりますものね。
ちなみに、「こち亀」のオープニングでは、追っかけていた泥棒を帝釈天で両さんが捕まえて、泥棒にアイスキャンディーを奢らせているわ。(元々両さんは泥棒を追っかけている意識はなく、泥棒とぶっかって、持っていたアイス駄目にされた怒りから追っかけていたというストーリー。)
亀有から帝釈天までってかなり距離あるけど、両さんは大丈夫にしても泥棒も凄い体力よネ。
あ、そうそう!帝釈天の参道には、寅さんの実家「くるまや」のモデルとなった、お団子屋さんの「とらや」さんも現役で営業中。
当時とは建て替えはされているものの、実際にこのお店で「男はつらいよ」の1作目から4作目までが撮影されたわ。(以降は大船撮影所のセット)
いやぁ〜こうして、”トンガリ帽子の取水塔”から帝釈天まで歩いてきたけど、葛飾区見どころ多すぎ!!世代的にアニメ含めた「こち亀」世代なので、今回「こち亀」メインで書いているけど、「男はつらいよ」や「矢切の渡し」など、昭和の頃から愛されるコンテンツをたどる散歩としては、葛飾区優秀すぎるわよネ。
「男はつらいよ」のファンの方だったら、また筆者とは違う目線で”トンガリ帽子の取水塔”から柴又まで巡れると思うから、それぞれ自分の好きを詰めつこんで葛飾散策してみてネ!
【とんがり帽子の取水塔】場所
〒125-0043 東京都葛飾区金町浄水場
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