きゃぁ〜〜〜〜っ!!大変よっ!!東京都荒川区の町屋にある、日本で唯一のぬりえ専門の美術館「ぬりえ美術館」が、2022年10月末に閉館しちゃうんですって!
「ぬりえ美術館」は2002年8月に、ぬりえ作家の蔦谷喜一先生の親族により開館したぬりえ専門の美術館。蔦谷喜一先生の作品をメインに、戦前〜昭和30年代の他の作家のぬりえや海外のぬりえなど、貴重な展示でわたしたちを楽しませてくれた素晴らしき美術館なの。
今回はそんな「ぬりえ美術館」の閉館を惜しんで、蔦谷喜一先生の歴史と筆者が「ぬりえ美術館」を訪問した際の様子をまとめてみたわ。
偉大なるぬりえ作家・蔦谷喜一とは?
2022年10月末に閉館してしまう「ぬりえ美術館」の様子をみていく前に、メインで展示されている蔦谷喜一先生についてまとめてみたわ。
”きいちのぬりえ”といえば、誰もが一度は目にした事があるほど、日本を代表するぬりえ作家の蔦谷喜一先生。先生のぬりえの歴史を学び、「ぬりえ美術館」をより楽しんじゃおう☆
蔦谷喜一「きいちのぬりえ」の歴史〜戦前・戦後〜
蔦谷喜一先生は大正3年に旧京橋区(現在の東京都中央区京橋)に生まれる。
昭和15年(1940)、26歳の時に友人が”ぬりえ”の仕事を持ってきたことがキッカケで、ぬりえ作家のキャリアがスタート。この時は「フジヲ」という名前で作家活動をしていたわ。名前の由来は夏目漱石の「虞美人草」の主人公”藤尾”からとったみたい。
ただ翌年の昭和16年(1941)には太平洋戦争の影響もあり、ぬりえの仕事は一時中断しているの。
その後戦争が終わり、昭和22年(1947)から再びぬりえ作家としての活動を開始。この時に名前を「きいち」と改め、ぬりえに専念するようになったわ。
きいちのぬりえは当時の子供たちに絶大な人気を誇り、子供たちはぬりえに描かれた愛らしい少女たちに夢中になったの。
わたしたちが「きいちのぬりえ」の少女たちを見ると、レトロでかわいい昭和の生活と感じてしまうけど、描かれているのは決して庶民の一般的な生活なんかではなく、キレイな衣装を身にまとった裕福なお嬢様たち。
当時の子供たちは憧れの”かわいい”の対象としても、きいちのぬりえを楽しんでいたみたい。
蔦谷喜一「きいちのぬりえ」の歴史〜昭和30年代後半から現在〜
きいちのぬりえは昭和30年代後半まで子供たちに人気で身近な娯楽として、爆発的な人気を誇っていたわ。
でもね・・・昭和38年(1963)に日本初の連続TVアニメ「鉄腕アトム」が作られて以降、子供たちの間にアニメブームが起こり、ぬりえの人気も以前に比べ下火になってしまったの・・・
ぬりえ自体は販売されていても、どうしても子供たちは人気のアニメや漫画のキャラクターのぬりえを欲してしまうのよね。
その後昭和40年(1965)になると、きいちはぬりえだけじゃなく、リースや即売用の美人画なども描き始めるようになるの。
⬆文化屋雑貨店の創業者長谷川義太郎氏のInstagramより
そしてなんといっても、昭和後半生まれ世代に蔦谷喜一の名を知らしめたのは伝説的雑貨店「文化屋雑貨店」の存在!
「文化屋雑貨店」は昭和49年(1979)に渋谷に開業した雑貨店。(のちに原宿に移転)創業者である長谷川義太郎氏がきいちの大ファンだった事が縁で、商品のイラストを担当することになるの。
自分語りになって申し訳ないんだけど、筆者は学生時代(90年代半ば〜00年代前半頃)に原宿にある「文化屋雑貨店」によく通ったものよ〜。”きいちのぬりえ”をリアルタイムで体験できなかった筆者は、ここできいちのイラストに出会う事になるわ。今みたいに「レトロ」とか「エモい」とかいう言葉はなかったけど、「昭和のかわいい」を目の当たりにし、初めて触れるのに懐かしくって、それが逆に新鮮だったのよネ。
残念ながら「文化屋雑貨店」は、平成27年(2015)に突然閉店してしまったわ・・・
⬇神保町にある「(元)鶴屋洋服店」では、きいちのイラストを使った「文化屋雑貨店」オリジナル商品が購入できるよ!(通販部あり)
大判シリーズ きいちのぬりえ いとしいペット編: いとしいペット編
きいちのイラストは、平成5年(1993)にテレビ朝日のキャンペーンポスターに起用され、若い世代にも着々と浸透していったわ。そして平成14年(2002)にはフランスはパリの「カルティエ現代美術財団」でおこなわれた、村上隆氏主催の「Coloring(ぬりえ展)」にも出品され、世界進出をはたすわ。
平成17年(2005)に老衰でこの世を去るまで、蔦谷喜一先生は素晴らしい作品を残し続け、今でも愛され続ける存在。没後も”きいちのぬりえ”はベストセラーを続け、老若男女に愛され続けているの。
【2022年10月末閉館!】「ぬりえ美術館」へ行こう!
蔦谷喜一先生のことが少しわかったところで、2022年10月末に閉館してしまう、「ぬりえ美術館」をみていきましょ〜!
ぬりえ美術館は東京都荒川区町屋にある日本で唯一のぬりえ専門の美術館。住宅街の一角に佇み、外壁にあしらわれた「ぬりえ」の文字が目印よ。
最寄り駅は東京メトロ千代田線町屋駅1番出口から徒歩15分、もしくは都電荒川線町屋二丁目または尾久三丁目から徒歩5分ほどでたどり着けるわ。
入口の扉にもきいちのイラストがほどこされ、とってもキュート♡
【2022年10月末閉館!】「ぬりえ美術館」のDATA
ちょっとここで気をつけてほしい事が一点!!
「ぬりえ美術館」の開館日は土曜・日曜のみ!!
平日に行っても閉まっているから気をつけてネ!そして開館時間も12時〜18時とそんなに長くないから注意が必要よ。
開館日 | 土曜・日曜のみ |
開館時間 | 夏季(3月〜10月)12:00〜18:00 冬期(11月〜2月)11:00〜17:00 |
入館料 | 大人:500円 小人:100円(小学生以下無料) |
住所 | 〒116-0001 東京都荒川区町屋4丁目11−8 ぬりえ美術館 |
最寄り駅 | 最寄り駅は東京メトロ千代田線町屋駅1番出口から徒歩15分 都電荒川線町屋二丁目または尾久三丁目から徒歩5分 |
閉館日 | 2022年10月末日 |
【2022年10月末閉館!】「ぬりえ美術館」は貴重な展示がいっぱい
それでは早速「ぬりえ美術館」の館内をみていきましょう!館内の展示作品は全て撮影可能よ。
展示室はワンフロワーのみで、そんなに広くないにも関わらず、貴重なぬりえが所狭しと展示されていて見ごたえは充分。
レトロでお洒落なきいちのイラストは、みているだけで懐かしく幸せな気持ちになってしまうわネ♡
館長自ら取っておいたものや、寄贈された当時物の貴重なぬりえが展示されておりとっても興味深い。遊んだ後のぬりえも展示されていて、当時の少女たちがいかにぬりえに夢中になっていたかが伺い知れるわ。
ぬりえだけでなくきいちのきせかえも展示されていて、人気作家としてのきいちの仕事が垣間見れるわ。
館内にはかわいいパネルが設置され、撮影スポットになっているみたい。
顔ハメパネルもあるよ!まぁ、こんなにかわいいきいちの少女の横で、アホ面の自分の顔をハメる勇気はないけどネ・・・
そしてきいちのぬりえがメインといえど、同年代に活躍した作家のぬりえも展示。松本かつぢ先生の「クルミちゃん」もいる♡
その他には海外のぬりえなども展示されており、ぬりえの世界にどっぷり浸れてしまうわよ♡
現在はコロナの影響で廃止されているけど、「ぬりえ体験コーナー」も設置。
ここで何時間もぬりえに没頭してしまう方も多々いらっしゃったそう。ぬりえって童心にかえれるし、脳も活性化されるのでとっても有意義な遊びなのよね。
ちなみに、「おてあらい」のプレートもきいち!
どこまでもきいちずくしの「ぬりえ美術館」♡素敵♡
【2022年10月末閉館!】「ぬりえ美術館」すてきな展示をありがとう!
今回は2022年10月末に閉館してしまう「ぬりえ美術館」を惜しんで、蔦谷喜一先生の紹介と「ぬりえ美術館」についてまとめてみたわ。
いや〜本当に「ぬりえ美術館」が閉館してしまうのは寂しいわ。蔦谷喜一先生の美術館的なものがここしかない為、なくなってしまうのはとっても残念・・・でも、貴重な展示とぬりえ文化の発信を20年もの間続けてくれた事には感謝しかないわね。
2022年10月末までは開館しているので、行ったことのない人はぜひ足を運んでみてネ。きいちのぬりえ世代だけでなく若い世代もきっと魅力的な展示に、メロメロになっちゃうはずよ♡
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