いや〜、団地って本当にいいものですよね。
と、いうことで(?)今回は筆者も大好きな団地、神奈川県川崎市にある河原町団地の魅力をお伝えさせてちょうだい。
河原町団地は昭和47年(1972)に竣工された、1号棟から15号棟からなる団地群。棟によって市営・県営・分譲から構成され、全体で3591世帯を有するそこそこマンモスな団地となっているわ。
特に県営の4・5・6号棟・7・8・9号棟はかなりモダニズムな建築で、団地マニアには大人気の団地なの。
今回はそんな大人気の県営エリアを中心に、河原町団地を歩いてきたのでレポートするわネ!
【昭和のモダニズム団地】川崎・河原町団地とは?
河原町団地を歩いていく前に、まずは河原町団地について少しご説明させてちょーだい。
冒頭でも書いたように、河原町団地は昭和47年(1972)に竣工された、1号棟から15号棟からなる団地群。
日本の団地は戦後の住宅不足を解消するため、昭和30年代から昭和40年代後半の高度経済成長期に数多く建設されわ。河原町団地は、そんな団地建設ラッシュ後期に建設された団地ってわけ。
そして河原町団地を設計したのは、建築家の丹下健三の右腕として活躍していた大谷幸夫氏。
大谷幸夫氏の他の作品としては、国立京都国際会館や2012年に閉館した東京都児童会館、大阪万博の住友童話館などがあるわ。いずれもイカした昭和建築よネ。
様々な形状の団地が立ち並ぶ河原町団地だけど、今回は特に人気の高い、県営部分4・5・6号棟・7・8・9号棟を紹介していくわ☆
河原町団地データー | |
竣工 | 昭和47年(1972) |
設計 | 大谷幸夫(大谷研究室) |
構造 | 鉄骨鉄筋コンクリート造 |
戸数 | 1号棟から15号棟/全3591世帯 |
所在地 | 神奈川県川崎市幸区 |
受賞歴 | 神奈川県建築コンクール優秀賞 |
【昭和のモダニズム団地】川崎・河原町団地/4・5・6号棟を歩く。
さぁ〜それでは、いよいよ河原町団地を歩いていきましょ!河原町団地へはJR川崎駅西口から、歩いてだいだい15分もあれば到着できるわよ。
そして〜〜〜〜!!見よ!!!この圧巻の溢れんばかりのモダニズムな団地を!!!これが河原町団地の4号棟よ。
この逆Y字型の形状は、均等な採光と風通しをよくするために考案されたもの。見た目のカッコよさだけでなく、住みやすさも考えられた優秀な構造なのね。
こちらは右から4・5・6号棟の並び。
4・6号棟は逆Y字型で14階建て、真ん中の5号棟は9階建ての建物になっているわ。
4・6号棟は1階から5階部分を階段状にすることで、日当たりやプライバシーが確保されている。また、高さの違う14階建てと9階建てを組み合わせることで、日照時間が公平になるように作られているわ。
嗚呼・・・できることなら、4・6号棟の1階〜5階部分に住んでみたい!
正面から見てもカッコよい!一般的な板状団地と違いゆとりのある造りになっているのがわかるわネ。
で、中に入ってみると、これがまた圧巻!!!かなり広々としたピロティになっているのよ!!!
ちょっと余談だけど、昭和33年(1958)に前川國男により設計された伝説の団地・晴海高層アパートは、本当は1階にピロティを作りたかったことで有名。(住宅不足解消のため頓挫したけど。)
それに比べて、河原町団地はこんなにも広々としたピロティが作られているなんて、なんて贅沢なのかしら。
\⬇晴海高層アパートについてはこちらをどーぞ!⬇/
このピロティは当初、こどもたちの遊び場になっていたそうだけど、落下物や騒音、ごみ問題等で利用が制限されてしまったそう。今は団地の行事がある時のみ使っているんですって。(あと駐輪場)
設計者である大谷幸夫氏は、”雨の日でもこどもが遊べる広場”というコンセプトで、このピロティを作ったみたいなんだけど、なかなかうまくゆかないものネ・・・
ピロティは吹き抜けになっており、風通りもよく清々しい。なんだか神々しさすら感じるわ。
こちらは4号棟とつながる5号棟の吹き抜け部分。
吹き抜けがあることで、ゆとりある空間になるわよネ。
そして5号棟を抜けると、6号棟のピロティに出られるわ。
側面が階段になっているのが美しさや面白さだけでなく、とっても機能的なつくりよね〜。
建物前にある柵(?)がなんともお洒落。
【昭和のモダニズム団地】川崎・河原町団地/7・8・9号棟もチェック!
4・5・6号棟の正面には、7・8・9号棟が建っているわ。
こちらは、7・9号棟が9階建て、8号棟が逆Y字型の14階建て。
並びで建てられた4・5・6号棟と7・8・9号棟。
9階建てと14階建ての配置を逆にすることで、これまた日照時間と日当たりを考えてのこと。
決められた予算と場所で、充分な戸数を確保しながら、住みよい工夫を凝らしていることに頭が下がる思いだわ。本当にスゴイ!!
こちらは7号棟の吹き抜け部分。光と風が入り込み、圧迫感のない明るい印象だわ。
【昭和のモダニズム団地】川崎・河原町団地/県営住宅以外も楽しい!
河原町団地は県営住宅部分の4・5・6号棟・7・8・9号棟以外にも、様々な形状の団地が拝めるのが楽しいトコロ。
ちょっとだけ、その他の団地も見ていきましょ☆
写真左部分は、市営住宅部分の1・2・3号棟よ。
2号棟の内部も吹き抜けになっているわ。
補強された部分がインダストリアルな雰囲気を醸し出しているわよネ。
なんだか吸い込まれそうだわ・・・
ちなみに、HOME’Sの賃貸情報を見てみると、2階の部屋はメゾネットになっているみたい。⬇
内見したい!!
そして花壇には綺麗にお花が植えられていて、きちんと管理が行き届いているのが感じられるわ。
河原町団地の前には、公園も整備されているのんびりした雰囲気ネ。
【昭和のモダニズム団地】川崎・河原町団地を歩こう♬
今回は神奈川県川崎市にある河原町団地を歩いてきた様子をお伝えしたわ。
外観のモダニズムな格好良さだけでなく、団地として機能性もバツグンな河原町団地。建築物としてもとても興味深い団地よネ!
昭和に建設された団地が、老朽化の影響で取り壊されている昨今。河原町団地は昭和47年(1972)に竣工された比較的新しい団地のため、取り壊しなどの予定は特に持ち上がっていない模様。まだまだわたしたちを楽しませてくれそうネ!
★☆団地は住宅です!静かに楽しく、近隣住民の皆様に迷惑にならないように楽しみましょう!!★☆
【昭和のモダニズム団地】川崎・河原町団地の場所
〒212-0007 神奈川県川崎市幸区河原町
JR川崎駅西口から徒歩15分
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