日本一の落花生の郷・千葉県八街市にやってきました。実はココ八街に、以前からず〜〜〜〜〜〜っと見てみたかった廃墟があるのよね。
あれよ?廃墟って言っても、ヤング達が夏に肝試しに来てキャッハウフフとするような、オカルトチックかつ青春の匂いのする廃墟ではなく、退廃的で美しい昭和の映画館の廃墟なのよ。
その廃墟はかつて「八街銀映」という名で、地元の人々に愛されていた映画館。どうやら80年代には閉館してしまったようなんだけど、それから40年近い年月、取り壊されることなく、美しい姿でそこに佇んでいるんだとか。
今回は「八街銀映」とその目の前にある商店街の廃墟「銀映アーケード」を愛でてきた様子をレポートするわ。
【美しき廃墟】「八街銀映」の場所【映画館】
「八街銀映」の場所なんですが・・・今回は廃墟という性質上、詳細な住所は控えさせていただくわ。
まぁ、インターネットを漁っていると、住所や地図は出てくるんだけど、近隣の方々に配慮して細かい住所は載せていないようにするわネ。
まぁとりあえず、八街駅を出たら国道409号線目指してみて。国道沿いを歩いていると、目を瞠るほど五光が指した建物が見えてくるわ。それが今回の目的地「八街銀映」よ。
きっとそのインパクトに目を奪われること必至なので、比較的見つけやすいと思うわ。
【美しき廃墟】「八街銀映」を愛でる【映画館】
国道沿いの道を一本入ると、「八街銀映」の全貌が見えてくるわ。
いままで度々写真などでその姿を目にしていても、実際に目の前に現れるとその圧倒的な存在感に良い意味で鳥肌がたってしまう。
う・・・美しい・・・
「八街銀映」は昭和25年(1950)に開館し、昭和57年(1982)〜昭和59年(1984)頃に閉館したのではないかと言われているわ。
今や営業していた年月を閉館してからの年月が超えてしまっているものの、いまもこうして美しく存在しているのは奇跡に感じる。
以前この辺は大変賑わいのあるエリアで、「八街銀映」の他にもう2軒ほど映画館があったみたい。「八街銀映」も「第一八街銀映」と「第二八街銀映」があり、かつては隣にもう一軒映画館が建っていたそう。
八街市は千葉の北総エリアでも賑わいのある地域だったんだけど、近隣の成田市に空港ができて以来、賑わいの中心がそちらに移っていったみたいね。まぁそれでも今でも八街市は、落花生も有名な素敵な場所なんだけど。
ちなみに八街市も空港の候補地に上がっていたものの、結局成田に決定して今にいたるわ。
成田空港の歴史を話すと話しが逸れる上長くなるので、「八街銀映」にもどりましょう・・・
昭和20年代の建物だけあり、重厚感と美しさが同居していて心を鷲掴みにされる。廃墟というと、しばしばバブル期のものが話題になるけど、「八街銀映」のようにこれだけ古い建物が原型を残し、使われずに廃墟化しているのは貴重よネ。
青い豆タイルが施された入口は、とってもモダンな印象を与える。
チケット売り場だろうか?閉じられた小窓が印象的。
かつて「八街銀映」で映画を鑑賞するため、多くの人々がココに並んだのだろうなぁ・・・
垂れ下がった幕が何か気になり近づいて見るも、腐敗しすぎて何の幕か判明せず・・「ハイ」?は読める。
アーチを描いた壁がなんとも言えない美しさを放っているわ。
そして印象的な赤いタイルの装飾がされた屋根部分。いまでも比較的状態がよく、40年近くメンテナンスがされていないにも関わらず、しっかりタイルの装飾が残っているのがスゴイ!
映画館という公共の施設なのもあるけど、「八街銀映」が当時かなり気合を入れて造られていたのがわかる。それだけ当時映画は人々の娯楽の中心だったことが伺えるわネ。
日本の映画の黄金期は昭和33年(1958)。戦後1220館だった映画館も、その頃には全国で7000館以上あり、全国の映画館の観客数はその数11億2745万人だったんだとか!
「八街銀映」はそんな映画の黄金期を支えた、貴重な歴史の生き証人。そんなスゴイ建物は敬わずにはいられないわ。
目を閉じると、当時ここが多くの人で賑わっていたのが脳裏に浮かんでくるわ。
横から見ると、かなり長い建物なのがわかる。そこそこの収容人数を収めていたのだろうなぁ。
叶わぬ夢だけど、いつか「八街銀映」の中にも入ってみたいものね。
【八街銀映】賑わいをみせた「銀映アーケード」
「八街銀映」の目の前には、「銀映アーケード」と呼ばれる商店街も廃墟として残っている。おそらく「八街銀映」と同じぐらいに作られたアーケード商店街ではないかと言われているわ。
左側にはたばこやさんだったらしきカウンターが見てとれる。かなり地域に密着したアーケード商店街だったのでしょう。
電柱には”幸町商店会”の文字。(八街銀映のある通りは、二区幸町商店会という通り。)
「銀映アーケード」の外壁は、大谷石で作られていてかなり重厚。商店街のアーケードでここまで重厚な造りって珍しくない??
そしてかなり長〜〜〜〜いっ!!この造りから、一見ここがかつてはアーケード商店街だったなんてわからないわよネ・・・
かつてここが商店街であった痕跡を探して、この小窓の中をちょいと覗いてみましょう。
失礼して写真をパシャリ。
70年代の風を感じるポスターが飾られ、お店の区画が区切られた造りになっているのがわかるわ。当時を忍ばせる店内に、感動せずにはいられないわネ!!
裏に回ると今はゴミ置き場として使われた入口が現れる。造りからすると、当時はコチラ側が表の入口だったのかしら??
失礼してコチラの入口の隙間からも、写真をパシャリ。
写真がかなり見づらくて申し訳ないけど、商店として営業していた形跡がわりと見てとれるわ。
「八街銀映」で映画を楽しんだ後に、この「銀映アーケード」で買い物をして帰るなんてルーティンが、当時の八街市民の楽しみだったりしたのかしら?(妄想)
何れにせよ、「八街銀映」のような立派な映画館があり、「銀映アーケード」のような充実した商店街があった姿を見ると、昭和の時代はココがかなり賑わいをみせていた場所だということを、うかがい知ることができるわね。
おまけ・・・【八街銀映】放置された昭和の車【銀映アーケード】
「八街銀映」と「銀映アーケード」の敷地に、既に自然と同化を始めている昭和の風を感じるレトロカーが放置されていたわ。
車のことは全くわからないんだけど、昔の車ってデザインがお洒落で可愛いわよネ。
【八街銀映】昭和の歴史を感じる美しき映画館廃墟
はい、今回は千葉県八街市にある「八街銀映」と「銀映アーケード」を愛でてきた様子をお伝えしたわ。
昭和の映画黄金期の歴史と、かつてこの辺りが賑わいをみせていた面影を感じられる「八街銀映」と「銀映アーケード」。貴重な生き証人として、閉館から40年以上経ったいまでもここに佇む姿は儚くも美しい。
廃墟という性質上、大手を振って見学できるわけではないので、ご近所迷惑にならないようにさくっと見学。でもそんな少しの時間でも、昭和の歴史と風を充分体感でき、感無量の時間が過ごせたわ。
どうか「八街銀映」と「銀映アーケード」を見学する方は、近隣の迷惑にならないように、静かに・ひっそり・怪しまれないように見学してネ。
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